…観察.You ページ18
前回撮ったBPVの映像を処理しつつ、休憩時間になった。
A:「お先休憩いただきま〜す」
広報:「は〜い。今日も能見さんところ??」
A:「バレました??」
広報:「目が♡になってる」
A:「あはは…否定はしません」
広報:「邪魔にだけはならないようにね」
A:「は〜い、行ってきま〜す」
私が能見さんの事を好きなのは球団全体が周知していることである。
ただ、能見さんは気づいていない…そこが好き。
特に阪神ファンってわけやないんやけど能見さんが好きすぎてバレンタインの日には必ず差し入れをしていた。
確か沖縄方面にその時期はキャンプで行ってたから球団の方に届いていたんだと思う。
もしかしたら能見さんの手には渡ってないのかもしれない。
それでも好きなもんは好きなんだもん、しゃあないやん。
??:「お、今日も来たのか」
ブルペンに近づくといつものように高山投手コーチが私に気付く。
A:「えへ、来ちゃいました」
高山:「まぁ見るだけタダだし、座りなさい」
A:「ありがとうございます!!」
ではではお言葉に甘えて…。
高山コーチの隣に陣取る。
うん、良く見える。
ブルペンでは宮城、由伸、そしてお目当ての能見さんがアップをしている所だった。
当然宮城と由伸は視界に入っていない、麗しい能見さんだけ。
A:「あぁ…かっこええ…」
高山:「宮城か、山本か??」
A:「何言うてますん、能見さんに決まってるやないですか」
宮城は可愛いお地蔵さんとして。
由伸はまずない、あんな喧嘩吹っ掛けてくる男のどこかがいいんだか。
高山:「辛辣だな。山岡から聞いてるぞ、恋愛するんだって??」
A:「え!!?高山コーチも知ってはるんですか!!?」
高山:「あれ、言わんほうがよかったか…」
A:「もう、たいちゃんったら口軽いんやから…。訂正しますけど、恋愛するんやなくて恋ってどんなもん??って聞いただけです!!」
高山:「まずそこからかぁ」
A:「な・の・で!!まだ恋はしてません!!」
高山:「なるほどなぁ…でも能見以外に良い男見つけたらどうだ??」
A:「……そない簡単に見つからんのです」
高山コーチと女子トークしながらも、能見さんを眺める。
長い脚が上がって、高く上げられるグラブ。
放たれる球は40歳を迎えても尚、威力抜群で。
能見さんを越える男がこの先いるのか疑いたくなってきた。
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作者名：柘榴 | 作成日時：2024年3月23日 20時
