遅すぎた青春～山崎颯一郎～ (ページ2)

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…振り返りページ2

俺の片思いは現在進行中である。
今は2021年。
あれから3年も経ってしまった。

その間にも戦力外通告を受けたりトミージョン手術を受けたりと色々あって彼女との交流はほとんどなかった。
先日ようやく1軍デビューを果たしたばかりだ。

颯:「ようやくか……」

由:「ようやくやな」

独り言のつもりで呟いてたら由伸に突っ込まれる。
由伸は同期入団で同い年だが自分より大先輩の結果を残してる。
けれども以前態度は変わらず、かっこいいなぁなんていつも思ってしまう男前さだ。

由:「おかえり」

颯:「ただいま」

由:「遅かったやん」

颯:「色々あったからなぁ……お前には先越されるし…」

由:「まぁ、ケガはしゃあないやん。あとは戻って来れたんやし結果残せばええことやろ」

颯:「うん…」

そういうところが男からしてもかっこいい。
同じポジションでありながら先発と抑えで違うところもあるけど本当由伸を見習わなくちゃいけないな。

由:「あ、Aや」

颯:「ほんとだ」

今日も今日とてAちゃんは可愛い。
まだ気軽に話せれるわけじゃないが、以前よりは仲良くなったつもりでいる。
会う事の多い由伸はもう慣れたようだ。

由:「A」

A:「あ、お疲れ様。今日はそーいちもおるやん」

颯:「Aちゃんもお疲れ様」

A:「おん、お疲れ様」

かという俺も「そーいち」と呼ばれるようになった。
「颯一郎」は彼女曰く長くて呼びづらいらしい。
愛称の方が俺も嬉しいし、「そーいち」って呼ばれただけで今日一日がハッピーだ。

由:「お前何してん」

A:「今日はBPVの企画の撮影や」

颯:「とか言って能見さん見に来たんでしょ」

A:「バレたか」

由:「噂をしてれば」

能見:「ん??」

A:「の、能見さんお疲れ様です!!///」

能見:「お疲れさん」

A:「アカン…麗しすぎる…!!!///」

今年阪神から移籍してきた能見さん。
大ベテランで既にチームに馴染み色々ご教授頂いてる。
そんな能見さんにAちゃんはメロメロで…。
生まれて初めて好きになった選手が能見さんだという事も彼女からは聞いてはいるが、かなり度を越えた熱狂的ファンで仕事の合間を縫ってはこうして能見さん目当てに選手たちの間にも顔を出すのだ。

能見:「顔赤いで」

A:「す、すぐ治りますんで!!///」

俺の恋は前途多難である。