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‥
インターハイは、惜しい結果で終わったらしい。
それを聞いたのは月曜日の朝で、どうやら三年生の先輩はこのインターハイで引退するとのことだ。
そう話す舞ちゃんは、いつだったか�犧Ｇ�は全国は難しいかもしれない�瓩範辰靴討い燭箸�と同じような、寂しそうな顔で笑っていた。
わたしの頭には二口くんの顔が浮かんだ。初めて途絶えたラインの会話を再開させる気にはなれなかったし、なんて声をかけたらいいかも分からなかった。
運動部の経験なんてないから、先輩の引退とか、試合で負けたときの感情はわからないけれど、きっと、悔しかっただろうなあ。そんなとき、どんな言葉をかけられたら嬉しいだろうか。
もう春高に気持ち切り替えてるから、あんまり落ち込んではないよ、って、舞ちゃんは言っていたけれど……。
でも、やっぱり、いてもたってもいられなくてスマホを手に取った瞬間、彼の名前が表示された。
*
「ゴメン、ライン返さなくて」
「ううん。いいの」
中庭のベンチは、日陰になっていて風が吹くと涼しく感じる。
渡されたりんごジュースを喉に流せば、体温がほんの少し下がったな気がした。
二口くんはわたしに謝るけれど、そんな必要はない。だって、彼のバレー人生が一歩終わりに近付いたのだから、それに無関係なわたしをそこに入れるのはどう考えても場違いだと思う。
彼はプシュ、という音を響かせてプルタブをあけると口を開いた。
土曜日、惜しくも敗退したあと、携帯のことをすっかり忘れていたことや、日曜日はただひたすらにバレーをしていたこと、新チームに自身も期待していること。
聞きなれない単語もたくさん出てきたけれど、軽く言いながらもひとつひとつ噛みしめている二口くんは、また、初めて見る表情をしていた。悔やみながらも、バレーをするのが楽しくて仕方がないというような顔だ。
彼は説明のようなお話に一区切りつけると、残り少ないであろう缶の中身を飲み干して立ち上がった。
「俺達の代は絶対全国に行くよ」
「、うん」
「一年くらい待たせちゃうかもしれないんだけど、それでも待っててほしい」
わたしはバレーのことはよく分からないから、伊達工が強いのか弱いのかも分からないし、新チームなら必ず全国へ行けるよ、なんて軽々しくは言えないから。
わたしが彼に言えるのは、たぶん、このひとことだけ。
「待ってるよ」
そうすれば、わたしが見たかった笑顔が見れる気がした。
‥
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幸(プロフ) - あんみつさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです……！こちらまだ単行本未収録でしたか！申し訳ないです。注意書き追加しておきます。 (2020年3月1日 9時) (
レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白くて更新凄い楽しみにしてました！！すごいキュンキュンさせられてました！最後の方に本誌ネタがあるんですが多分単行本派の方もいらっしゃると思うので本誌ネタ注意と書いておいた方が良いかと…… (2020年3月1日 8時) (レス) id: 86e8f7f917 (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - 橘さん» コメントありがとうございます！私の書く二口くんにときめいてくださっているのなら嬉しい限りです！ (2020年3月1日 2時) (レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
橘 - とても面白く二口くんにキュンキュンさせられてますww (2020年2月9日 19時) (レス) id: a7677655c7 (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - アヤミさん» コメントありがとうございます！少女漫画のイケメンような二口くんを書きたいと思い作成したので、そう言っていただけて本当に嬉しい限りです！応援ありがとうございます、これからもこの作品を宜しくお願い致します。 (2020年1月16日 22時) (レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸 | 作成日時：2020年1月13日 19時
