す き す き び ー む【瀬見英太】

だめーじ09 ページ10

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ミスコン推薦者のミサキちゃんが、私の最終チェックに入る。

真剣に、見定めるように見られるとちょっと恥ずかしい。






「……うん、まあかわいいんじゃない」


「適当じゃん！世界一かわいい？」


「そうだね」






相変わらず塩対応なミサキちゃんだ。

ミサキちゃんは一年生の頃から推薦者として私にアドバイスをくれていた。自己アピールはなにをしようとか、自己紹介でどんなインパクトを出そうとか。

高校に入学した当初、女の子に嫌われていた私に自信を与えてくれたミサキちゃんのためにも三連覇を果たしたい。
もちろん、衣装やヘアメイクをしてくれた友達のためにも。


それから、応援してくれた瀬見くんに誇れるよう。






「私、三連覇したら瀬見くんに告白する」


「いつもしてんじゃん」


「違うの！ちゃんとしたやつ！『好きです付き合ってください』のやつ！」


「じゃあとっとと告白の準備しな。大丈夫、今年もAがミス白鳥沢だよ」






冷たいけれど、ミサキちゃんにそう言われれば自信が湧いてくるからすごい。


いつもと違う髪型、いつもと違うメイク。この日のために作られたきらびやかな衣装。自分をお姫様だと勘違いさせる。

だけどそれでいいんだ。そんな心構えじゃないとグランプリに輝けない。


今年はチア部の一年生のすごくかわいい子もエントリーしているらしいからより一層。

そもそもミスコンで一年生がエントリーすることが異例なのだ。
下手すれば先輩に目をつけられるし、同級生からも後ろ指指されたり奇異の目で見られたりする。それを覚悟でエントリーする勇気を、私は知ってる。






「大丈夫。今日の私は世界一かわいい」


「……写真、撮る？」


「グランプリのティアラもらったら撮ろ！英くんにも送らなきゃ！」






そろそろステージに移動する時間だ。

瀬見くん、見に来てくれてるかな。私がグランプリになる瞬間、見ててね。

今日の私は世界一かわいいから。






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