だめーじ08 ページ9
‥
まただ。
また、見た目にそぐわない大きな歩幅で俺に向かって走ってくる足音がする。
「瀬見く〜〜ん！！」
「……桃瀬、そんな急がなくても」
「私には、瀬見くんだけだからね！」
目の前で止まった桃瀬の言葉に目が点になった。
そんな恥ずかしいこと大声で言うなって。ここ廊下だぞ。言いたいことは声にならなかった。
そんなこと改めて大声で言われなくても知ってる、はちょっと自信過剰だよな。
一体全体どうしたと言うんだ。
「天童くんが、月曜日に私と従弟の男の子を見たって言ってて、それで瀬見くんが勘違いしてるって聞いたの！」(※言ってない)
「は、はぁ！？」
「それで私がどんな男も拒まない最低ドクズ女だって思われてたら嫌だなって」
「そんなこと思わねぇよ……」
桃瀬の発想にはびっくりだ。どこから出てくるんだその思考。
ああ、でも、あのときいた青城の男はただのイトコだったのか。可笑しいな、ちょっと安心してるとか。
桃瀬もひどく安堵したように笑っているのを見て、急に笑いがこみあげて来る。どんだけ勘違いされたくなかったんだ。
「最低ドクズ女って……。俺こう見えて桃瀬がいいヤツなの知ってんだ」
「かわいいヤツ？？」
「一年の最初のテスト週間にさ、傘くれただろ？覚えてないかもしれないけどさ」
♡ ♡ ♡
忘れもしない。土砂降りの雨で、傘を持っていない俺は昇降口で立ち尽くしていた。
「傘ないの？」
声をかけてきたのは、入学してかわいいと噂になっていた子だとすぐに分かった。
大きな目に長い睫毛。顔の造形の良さに思わず見惚れてしまう。
遅れて頷いた俺に、彼女は持っていたビニール傘を差し出す。
「これ朝買ったんだけど、置き傘あるからいらないんだ。だからもらってよ」
「じゃあ、お金……」
「いらないよ。あ、でも�爐△蠅�とう�瓩辰童世辰討曚靴い�な」
そう言ってはにかんだ彼女の周りに、きらきらが見えた。
♡ ♡ ♡
「ええーっ！あれ瀬見くんだったの！？」
「やっぱり覚えてなかったんだな」
「かっこいいなとは思ってたよ！」
大きい目をさらに見開いて、瞳が零れそうだ。
テンションが急上昇したらしい桃瀬は興奮した様子で笑った。
「じゃあやっぱり私たち運命だ！」
「……それはどーだろうな」
「ミスコン、絶対見に来てね！約束だよ？」
‥
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蜂蜜色(プロフ) - こんなに繰り返して読んだ作品にであったことがありません。今回で6回目です。大好き。ありがとうございます。ほかの作品でも頑張ってください！ (2021年5月15日 23時) (
レス) id: 7ce87d3605 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 幸様に私からすきすきびーむ！ (2021年4月27日 18時) (レス) id: e814e05207 (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - コムギさん» コムギちゃーーーー！！！！アリガトウこれも全て瀬見英太のおかげだ！！！！私もラブだぜ；；； (2020年7月25日 21時) (レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - 名無し45026号さん» 完読ありがとうございます…！私自身も完結させられたことに安心しております笑 桃瀬ちゃんを気に入っていただけて嬉しいかぎりです。本当にありがとうございました！ (2020年7月25日 20時) (レス) id: 08804b505e (このIDを非表示/違反報告)
コムギ(プロフ) - 好き好き大好き愛してる･･･(;-;) 素直で健気で一生懸命に可愛い夢主ちゃんと瀬見英太の透明度二億パーセント甘くてきらきらしたハッピー恋物語、国の予算かけて保護したいよ〜(;-;)(;-;) 完結オメ！ これからもお前がラブだ (2020年7月25日 15時) (レス) id: c875d84994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸 | 作成日時：2020年3月12日 23時
