忘れられないコト ページ10
『満月?』
ヤマダ「はい。あの森のウワサはご存知でしょう?」
ヤマダは振り返って、ほのかの瞳を見た。
澄んでいて、吸い込まれそうな瞳。
何を考えているのか分からない。こちらが隙を見せれば漬け込まれてしまいそうな。
『聞いた事はある。でも、私は信じてない。』
ヤマダ「どうしてです?」
『……わたし、昔よく両親や家の者の目を掻い潜ってあの森に行っていたの。ある人に会いに行くために。私も彼も小さかったから、向こうはもう忘れているかもしれないけれど。忘れられないの、ある男の子が。』
『私、その時から行ってはだめと言われていたけど生きて帰って来られた。森には怖い獣がいるなんているけどそんなの嘘よ。』
ヤマダ「つまり、その男が忘れられないと?」
『うん。だから、ヤマダ。私に見合いの話が来ても断って。』
ほのかは気付いていた。自分に見合いの話が来ていることを。
きっと、見合いの話は予想以上に進んでいるだろう。
ただ、ほのかは覚えていた。幼い頃にした約束を。
その相手に会わずして、見合いなど出来る筈もない。
ヤマダ「承知しました。最善を尽くします。」
そう言うヤマダが切なげに見えるのは気のせいだろうか。
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ほのか(プロフ) - .さん» ご指摘ありがとうございます。訂正します。 (2020年10月20日 19時) (レス) id: 3c949a7734 (このIDを非表示/違反報告)
. - スペル、違ってません??「ryousuke」ではなく、「ryosuke」ですよ??公式でもこれですし。 (2020年10月20日 16時) (レス) id: 8938ef0b4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご | 作成日時:2020年10月20日 0時