暗闇に光る赤い瞳 ページ29
オオカミは走ることを止めない。
不思議な事に安定感がある。抱きかかえられているような、そんな感じ。
狼の森へ入って行った。
昼間に来たことはあるが、夜はない。
……ちょっと待て、私今非常事態なのではないか。
サーっと血の気が引く。最悪の想像ばかりしてしまう。青ざめていると、オオカミが足を止めた。
『こんな所に屋敷があったなんて』
目の前には大きなお屋敷が聳え立っている。
いつも感じていたいかにも怪しげな闇に包まれた屋敷だ。オオカミに置いていかれないように着いて行った。
階段がある。月明かりに照らされて青い。
この辺りは、月が青く光る。古くからブルームーンが見られるといわれていてとても綺麗だ。
『こんな所で何するの?』
オオカミは足を止めなかった。
階段を上っていく。とにかく速い。どんどん上に行ってしまう。待って、と言おうとしてオオカミとは何か別の気配に気づいた。
普通に怖い
『オオカミさん?やだ、ちょっと置いていかないでっ』
前にいるであろう人は暗闇でよく見えない。ただ、上へ上へと進んで行く。月に照らされた光で辛うじて、人だということが分かった。
前に歩く足音が止まり、顔を上げると真っ暗な闇に赤い光。誰だろう。
もしかして…
『リョウスケ?』
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ほのか(プロフ) - .さん» ご指摘ありがとうございます。訂正します。 (2020年10月20日 19時) (レス) id: 3c949a7734 (このIDを非表示/違反報告)
. - スペル、違ってません??「ryousuke」ではなく、「ryosuke」ですよ??公式でもこれですし。 (2020年10月20日 16時) (レス) id: 8938ef0b4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご | 作成日時:2020年10月20日 0時