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プロローグ ページ1
かつて、この国は高度な魔法文明を築き上げた。
その地を覆う豊かな森には、妖精が住みつき、森に恵を与えてくれる。
けれど、人間はそれをどうも当たり前の事と受け止めていた。
そんな事よりも、彼らが最も興味を示したものは魔術だ。
持つ魔力が大きければ大きいほどに良く、男でも女でも、そして平民でさえも運と実力さえあれば魔術師としての出世を望まれた。
この時代は、長い歴史を誇る魔術の技術、力、人材と共にピークに達していたと言っても良いだろう。
魔力を多く持たない平民でさえも、小さな魔法は使えた。
そんな時代だったので、魔力の大きさにより人生が大きく作用された。
魔力の大きさに富んだ者は過去の生い立ちがどれほどに惨めでも、今後の将来が約束された。
逆に言えば、人間として生まれ、人間として生きるには、魔力の無い少数の人間は余りにも生きづらい。
もう、そんな時代は古い時代の記憶として歴史の隅に葬り去られてしまったけど。
私は、まだその夢を、その名残を、幻を今も見続けているのだろうか。
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作者名：林鈴 | 作成日時：2023年2月27日 0時
