友達なんて。2【東雲 彰人】

54話 ページ8

『.....ごめん。みんな、先に帰っといて。




今は....ちょっと........







1人になりたい。』



｢......わかった。


絵名、奏、まふゆ。





.......帰ろう。｣



｢で、でも.....！！｣



｢絵名。みんな、同じ気持ちだよ。｣




｢.....わかった。｣







そのまま私に背を向けて去っていく4人。









....私、何やってるんだろ。



関係ない人に、あたって。




本当は思ってないことを口走って。







いや、思ってるから口走ったのかな。









でも.....これで良かったのかな。




ううん、やってしまったものはもう遅い。






これで........合ってるんだ。









でもやっぱり1人で桜の近くにいても.......





そうだ、セカイに行こう。





今はみんないないから。











『......誰もいない。』



ここは落ち着く。



何も考えずにいれるから。






冷たくて、さみしくて、何も無い。




いつもは、ミクとかリンとかいるはずなのに。






今日は2人ともいない。







｢.....珍しいわね。あなたが一人で来るの。｣



不意に後ろから声をかけられた。



聞いたことない声........




いや、MEIKOか。





前まではいなかったはずなのに.....




まぁ、リンも突然現れたし。そう珍しいことでもないんだろう。





｢.....あなたもなにか抱えているのね。


今ここには私とあなたしかいない。





私のことはいないものだと思って、




気が済むまでここにいたらいいんじゃない？｣



鋭い。

初対面なのに。




いないものだと思って、か。


メイコなら全部教えても.......いいかな。




｢メイコ....？そこで何してるの.......？


........A。｣



私に気づいたらしい。


リンだ。





｢.......｣





『.....ごめんね、リン。


今は1人になりたいかな。




ミクにも伝えといて。』




｢わか、った。｣



さっきの4人みたいに私に背を向けて去っていくリン。




『ねぇ、メイコ。


これで、良かったのかな。』






｢.....そう悩み続けている時点で、


もう答えは決まってるわ。｣



......そっか。


これで良かったのかな、って迷ってる時点で、


私は心のどこかで間違ってる、って思ってるんだ。





『....どうするのが正解だったんだろ。』



｢........もっと純粋に、綺麗に、あの子たちを見つめてみたらどう？



少なくとも、あなたが思っているような子たちじゃないわ。｣

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