友達なんて。2【東雲 彰人】

49話 ページ3

瑞希に案内されて着いたところは薄暗いトンネル。


いや普通に怖いんだけど。雰囲気とかそういうのも。


｢なんだか.....すごく嫌な感じがする｣


『奏は霊感ある方....？』


｢多分ないと思う、けど......｣


｢ここが普通じゃないんでしょ.....
ホントに大丈夫なやつ.....？｣


｢いやー！さすが名所なだけあって、すっごい雰囲気あるねー！｣


呑気に楽しんでる瑞希。


『その雰囲気を瑞希が壊してるんだけど.....』


｢あ！みて！凹んだ跡がある〜！
実際見ると結構エグイな〜｣


｢ええ.....それって、事故があったってこと？
もしかして......幽霊のせい....？！｣


『ちょ....絵名。考えすぎでしょ.....』


｢そうだとか.......そうじゃないとか......
真相はここの幽霊が知ってるかもね！｣


瑞希の一声で背中に悪寒が走った。


｢じゃあ、入ろう。｣


『えっ、まふゆそれ本気？』


｢.......ここまで来て入らないの？｣


『入る必要性を感じられない。』


｢まあまあ、細かいことはどうでもいいじゃん！
ほら、入るよ。Aも、絵名も！｣


｢絶対入りたくないんだけど......って、まってよ！みんな！！！置いてかないで！！！｣


後ろでギャーギャー騒いでる絵名を放って、


瑞希に袖を掴まれながら中に入っていく。






｢......ただの古いトンネルだね。｣


『うわっ......急に喋らないでよね。怖いから。』


まだ昼間なのに暗いトンネル。


そこでまふゆに突然話しかけられたら誰でもビックリするよ。


｢そういえば、ここに出てくるのは髪の長い女の幽霊なんだってさ。｣


｢え、なに急に......｣


『そうだよ、瑞希。一々そんな話しなくても......』


｢でも普通の女の人に見えるから、
来るまで通り掛かった人が どうしたんですか って
つい声をかけちゃうんだって。｣


私と絵名の制止を聞かない瑞希。


｢そうすると、なにかブツブツ呟いてるのがわかる。
何を言ってるんだろう？って耳をすませると_____聞こえるんだ｣


｢......な、なにが｣


瑞希の話の続きが気になった絵名が聞いちゃった。


さっきまで怖がってたじゃん....！！


｢小さい声で何度も"痛い"って言ってるのが


それでその声を聞いちゃった人は


______大変なことになるんだってさ｣


｢た......大変なことって？｣


なぜかみんな続きを聞いていく。


怖いんだったら聞かないでよね。

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