友達なんて。【東雲 彰人】

40話 ページ41

『......たしかに。』




「気づいてなかったのかよ.....」




ため息混じりにそういう東雲くん。




『んーとね、なんか.....東雲くんだったらいいかなって......




なんでだろうね。』




「.....そうかよ。」





私は東雲くんと会うと落ち着くのかな.....




.....言葉には出来ないけど、




東雲くんは変に人に言わなさそう。




東雲くんは知らない人の前では猫かぶるけど、




ちゃんと相棒のことも信じてるし、




絵名のことも気にかけてる。




瑞希のこともわかってるし......




表には見えない東雲くんの優しさを感じるから、かな。




『.....じゃあ2つ目の質問は？』




「.....ン....キ......」




『なんて？』




「あーーーーー、」




急に大声を出した東雲くん。




『な、なに......』




「なんかちょっとはずい......」




『まって、何の話？』




「だから.....パンケーキ。お前好きかよ。」




ちょっと恥ずかしそうに聞いてくる。




それがちょっと可愛くて。




『んふ、パンケーキ？.....なんで？笑』




「.....好きなのかよ？」




『あは、好きだよ。』




「.....そ。.....なら、行くぞ。」




『.....え？どこに？』




そう言いながら屋上を出ていく東雲くんについてく。





「....あーーっもう、察せよ！！！」




『え、いや、ごめん......？』




何故か急に怒鳴られた。




.....あ！もしかして食べに行くってこと？




東雲くん.....パンケーキ好きなのかな.....




『......そういえば、どうやって落ち着かせてくれるの？』




「.....まだ考えてねぇよ。」




『......ふふ、ちゃんと考えようとはしてくれてるんだね。




ありがと。




でも、やっぱりいいかな。




可愛いとこ、みれたし。』




「あ？可愛いとこ？誰のだよ。」




『東雲くんのに決まってるじゃん。』




「.....へぇ？」




急に立ち止まる東雲くん。





やば、ちょっと怒らせた？




そう思い顔を上げると......そこに東雲くんはいなかった。




代わりにすぐ近くに感じる私じゃない人の体温。




......私今.....抱きしめられてる.......？




少し腰を曲げて、私の肩に頭を置いている。




そして頭に感じる一定のリズム。




い、やいやいや、どうすればいいのこれ？！？！




「......落ち着いたかよ。」




っえ、あ、落ち着かせるためにやったのかな.....




『は、はい......』

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