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第9話 ページ10

は「俺、Aには信頼されてほしかったな…」

違う。信頼してる。

A『…ごめん』

背を向けたまま、顔も合わせずに言う。

は「え…?」

A『私が、あんな態度とったから……』

は「で、でも俺はAに信頼されてないんじゃ…」

起き上がり、座った状態ではじめ君の方を向く。

A『信頼、してるよ。信じてる。』

は「え……」

A『信頼してなきゃ、ここにも来てないでしょ(笑)』

そう言った瞬間、はじめ君がいきなり抱きついてきた。

A『うわっ…!』

は「良かった〜…俺、本当にAに信頼されてないんじゃないかって、思って…」

だんだん弱々しい声になっていく。

何だか放っておけなくて、頭を撫でた。
はじめ君の頭はふわふわしていて気持ちいい。

は「ごめんねA。
こんな弱っちぃ俺見せちゃって…(笑)」

A『弱いも何も…色々なはじめ君が見れて私は嬉しいよ?』

は「あぁも〜…」

顔を片手で隠すはじめ君。
どうしたんだろ?

は「それ、何か照れるから…
他の人に言ったらダメだからね?」

A『わ、分かった(笑)』

そっか、顔を片手で隠したのは
照れ隠しか。(笑)


は「Aも、もっと俺に色々な表情見せてよ〜」

A『うーん、そう言っても私そんなに表情豊かじゃないし…』

は「まぁ、これから色々なことがあるだろうし、
これから見せていってよ!」

A『ん、分かった!』

A『何この約束(笑)』

は「これって約束なの?(笑)」


笑顔ではじめ君と話をする午前中。
穏やかな気持ちになれる。

は「っていうかさ、俺、最近……Aが誰かの元に行っちゃいそうで怖いんだよね〜…(笑)」

指で少し首を掻いている。

言葉は明るくても、その目は憂いを帯びていた。

A『えぇ〜何その不安…(笑)
私、誰の所にも行かないよ(笑)』

どうにか安心させようと笑ってみせる。

は「どこにも行かないの?」

A『うん(笑)』

レースカーテンが風でふわりと動く。
隙間から日が射していて明るい。


すると、はじめ君は私の頬を優しく撫で、
目を合わせ、やわらかく微笑む。

は「A。ずっと、俺から離れないでよ。」


そう言った瞬間、また風が緩く吹き、
レースカーテンが静かに揺れた。


はじめ君は、この言葉を
どんな気持ちで言ったのだろう。

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花創(プロフ) - あじきよさん» ありがとうございます!! (2019年1月20日 9時) (レス) id: b5a2c17b1d (このIDを非表示/違反報告)
あじきよ(プロフ) - はぁぁ!!だいちくんめっちゃ好きです... (2019年1月20日 2時) (レス) id: 5d3b55a877 (このIDを非表示/違反報告)
花創(プロフ) - ふらふらさん» コメントありがとうございます!分かりました!しばらくお待ちしてくださるとありがたいです! (2018年12月12日 23時) (レス) id: b5a2c17b1d (このIDを非表示/違反報告)
ふらふら(プロフ) - はじめさんエンドが読みたいです! (2018年12月12日 23時) (レス) id: 2921a0b107 (このIDを非表示/違反報告)
花創(プロフ) - まりっちょさん» コメントありがとうございます!!分かりました!分岐までしばらくお待ちください! (2018年12月12日 14時) (レス) id: b5a2c17b1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花創 | 作成日時:2018年12月9日 9時

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