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「Aちゃん、デート行かん？」
珍しく早めに書類を仕上げた鬱は、訪れた総統室で内容の確認を行うAに挨拶でもするかのように告げた。
少し離れた位置で怪訝そうに顔を上げた男に若干肩を震わせるが、目前の彼女は全く動揺せずに書類を見ながら言葉を返す。
『視察ですか？』
「いんや、正真正銘デートやで。前言ったやん」
『具体的には？』
「服とかアクセとか、後は何か好きなもん買いに行こ。Aちゃん相変わらずあんま私物買っとらんやろ？ついでに城下ウロウロしようや」
「…おい大先生、」
『彼女さんに刺されそうなので遠慮しておきます』
「つれないなぁ。まあでも僕今フリーやから、」
『確か48人いるんでしたか？モテるんですね』
「誰やAちゃんにいらんこと吹き込んだ奴！」
Aの皮肉に大げさに頭を抱える鬱。
しかしすぐ気をとり直したように片手を広げる。
「いやちゃうやん、そういうんやなくてな、こんな堅苦しいとこにずっとおったら疲れるやん？常にグルちゃんに仕事見られてるとかしんどいって」
「お？今すぐ一人で紛争地帯行ってくるか？」
「冗談きついわ、僕なら3秒で死ぬ」
『…グルッペン様もそこそこ見られているかと思いますが』
「でもAちゃん時々意図的に席外したりしてるんやろ？グルちゃんに自分の時間作ったるためにさ」
「…は？そうなのか？」
『さあ、何のことでしょう』
「けどAちゃんにはそういう時間少ないんちゃうかなってさ、僕思ってな？」
にこりと笑うレンズの奥は隈が目立つ。
仕事漬けの自分を気遣って、いつもよりも早めに書類を終わらせたのだろうか。
げどちゃんばっかズルいし僕とも出かけよ、ほら、息抜きとでも思えば悪ないやろ？
そう続ける彼にようやくAは顔を上げた。
『…わかりました。いつですか？』
「えっ」
「マジで！おっし！なら今日は？」
『急すぎません？せめて明日の午後とか…』
「いやお前明日非番じゃないだろう。というかまず俺に許可を取れ」
「うわ、グルちゃんがそんなツッコミとするとか明日は雪やな」
「黙れ元凶。…いやA、本当に行くのか？大先生だぞ？意味がわかっているのか？」
「待って僕の扱いおかしい」
『ただの下心じゃないことくらいはわかりますよ』
微笑む彼女は見透かすような目で鬱を見上げる。
すぐに苦笑に変わった鬱とは逆に、グルッペンは眉間に皺を寄せ一人むむむと唸りを上げた。
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華凛(プロフ) - 1番最初から読んできましたが、このパートの78話目のgrさんのセリフに思わず胸がきゅんとしました。お体に気をつけて更新してください。楽しみにしてます。 (2019年7月4日 13時) (
レス) id: 1c6f67374d (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - マロウブルーさん» コメントありがとうございます。長いお話ですが気に入っていただけて嬉しいです！まだまだ続きますが、よければ今後もお付き合いいただければ幸いです！ (2018年11月18日 16時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - あぁ…何で綺麗で壮大で素晴らしい話なんでしょうか…あなたが神か…そうか…！いやもう、ずっと憧れです！追い付きたいと思うことすらおこがまし(殴)本当にこの話大好きです！影ながら応援しております…！ (2018年11月17日 23時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - この話が面白いのでシャオロンのファン辞めますさん» コメントありがとうございます。生きがいとまで言っていただけて恐縮です…！更新遅くて申し訳ないですが、今後とも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年9月15日 20時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
この話が面白いのでシャオロンのファン辞めます - 毎回楽しく読ませてもらっております。ぎすメモとともに私の生きがいです。無理せず毎秒投稿してください！(ネタです。すみません。健康に気をつけてください！更新待ってます！) (2018年9月15日 20時) (レス) id: 8c4421707f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年12月1日 22時
