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コネシマが笑うようになった。
初めは若干気まずそうにしていたが、数日後にはいつもの笑顔を見せるようになった。
彼の大きな笑い声につられてAもクスリと笑い、その二人を見て顔を見合わせた鬱とシャオロンが呆れたようにツッコみ、貿易から戻った兄さんが苦笑しながら声をかける。
土産で更に騒ぐ彼らに、城内は確実に以前の明るさを取り戻しつつあった。
「シッマ、吹っ切れたみたいやな。良かったわ」
のんびりと告げるオスマンは応接室に招き入れた客人に対していつものように微笑む。
初めてこの城を訪れた時のことを思い浮かべながら、客人は彼の淹れた紅茶を堪能した。
『気に病む必要はないとお伝えしたんですがね』
「いやいや無理やろ。普通は気にするって」
『そうかもしれませんが。…ところであえて聞きますが、応接室でお茶をする必要はありますか？』
「あえてやったら聞かんでよ、意地悪やなぁ」
ふふと微笑むオスマンはA同様にカップを口にする。
恐らく何かしらの話があるのだろう。
そしてそれは謹慎中の彼女の身から仕事部屋ではできず、かと言って周囲の目がある場所でもできない内容で。
自室等への逃げ場を与えないこの場所は、そういう意味では適切と言える。
物音だけが響いた後、オスマンは真面目な表情で静かに口を開いた。
「…嫌な思いさせるから先に謝っとくわ、ごめんな。俺のことはどう思ってもええ。けど、これだけは聞かなあかんから、聞くな」
『はい』
「…グルッペンに、エーデル大佐を重ねたか？」
問われた内容にAは大きく反応した。
その両目をこれでもかと言わんばかりに見開く。
しかし取り乱したり取り繕う様子は一切なく、しばらくするといつもの冷静な眼差しでオスマンを見つめ返した。
『…あの時、大佐のことを考えなかったと言えば嘘になります。ですが同一視はしていません』
「Aちゃんにとっての指針はエーデル大佐やろ？…あいつは代わりやないって、ほんまに言い切れる？」
『はい。…私は大佐ではなく、グルッペン様を、この国を守りたかった。その為に私の持つ力でできる限りの行動をした。この言葉に偽りはありません』
どこか力強さがこもった語尾、だが強がっている訳でもなく、本心から溢れる誠実さにオスマンの顔に笑みが戻る。
彼が何かを言う前に、Aが再度口を開いた。
『ありがとうございます』
「ん？何が？」
『私のしたいようにさせてくださって。そして憎まれ役を買って出てくださって』
オスマンは一瞬言葉に詰まったようだが、すぐに「それくらいしかできへんから」と苦笑を浮かべた。
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華凛(プロフ) - 1番最初から読んできましたが、このパートの78話目のgrさんのセリフに思わず胸がきゅんとしました。お体に気をつけて更新してください。楽しみにしてます。 (2019年7月4日 13時) (
レス) id: 1c6f67374d (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - マロウブルーさん» コメントありがとうございます。長いお話ですが気に入っていただけて嬉しいです！まだまだ続きますが、よければ今後もお付き合いいただければ幸いです！ (2018年11月18日 16時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - あぁ…何で綺麗で壮大で素晴らしい話なんでしょうか…あなたが神か…そうか…！いやもう、ずっと憧れです！追い付きたいと思うことすらおこがまし(殴)本当にこの話大好きです！影ながら応援しております…！ (2018年11月17日 23時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - この話が面白いのでシャオロンのファン辞めますさん» コメントありがとうございます。生きがいとまで言っていただけて恐縮です…！更新遅くて申し訳ないですが、今後とも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年9月15日 20時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
この話が面白いのでシャオロンのファン辞めます - 毎回楽しく読ませてもらっております。ぎすメモとともに私の生きがいです。無理せず毎秒投稿してください！(ネタです。すみません。健康に気をつけてください！更新待ってます！) (2018年9月15日 20時) (レス) id: 8c4421707f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年12月1日 22時
