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Aちゃんが帰ってきた。
未だどこか思いつめたように、疲れの色も見える表情、ちょっと痩せたかな、最後に会ってから随分と時間が経ったように感じる。
久しぶり、なんて軽口を開きかけたが、彼女の後ろに居た男にすぐ唇を閉じた。
まさかの監視カメラに映っとった奴。
確かその界隈では有名な傭兵だとか。
一匹狼、滅多に捕まらない、高額な代金、だがどんな任務でもそつなくこなすとかなんとか。
まあ大して情報なかったし、グルちゃんがやられたんやから手練れなことくらいはわかるけど。
わかるけど、この殺伐とした空気にいい加減嫌気がさしてきた。
「………」
「…えーと、契約の報酬を払うため、なぁ。一応そいつに総統やられてるんやけどな？」
『ではその分は損害賠償として差し引きましょう。あと、もうしばらく彼を雇っておきたいのですが』
「…おい、聞いていない。何故だ」
『貴方が必要だからですが？』
サラッと破壊力の高い一言を放ったAちゃんにマンちゃんや僕は目を見開いたけど。
「…いらんやろ。護衛いるなら俺がやるし」
「こいつが侵入者なことは間違いないんだよね？むしろ金払う必要なくない？」
どこか拗ねた様子のゾムと復讐鬼が顔を出してるげどちゃん、止めるかと思っとったトントンは微妙な顔、シッマに至っては一言も喋らん。
まあ一番怖いのは絶対零度の視線で見下ろしてるグルちゃんかな。
そんな中、二人を庇うようにシャオちゃんが前に出る。
「お前ら怖すぎるわ。A帰ってきたばっかやねんぞ。俺らより何倍も大変な思いしたんや、少しは労ったれよ」
「…シャオロン、お前Aに何を吹き込まれた」
「…は？久々に喋ったと思ったら何なん、そのAが悪いことしたみたいな言い草。自分の秘書やろ？」
「関係ない。答えろ」
「絶対嫌。はー、でもようわかった。お前らがそんなんやったらそりゃAも帰りづらいわ」
「…何だと？」
ああ今は煽っとる場合ちゃうって、なんて、思ってるだけで口には出さない。
と言うか、優しいAちゃんがあいつを置いときたい理由なんてちょっと考えたらわかる。
「…延期はなしだ。報酬さえ受け取ったら去る」
『駄目ですよ。私から離れて攻撃されたらどうするんですか』
ほら、そうやと思った。
あの子はもう自分以外失いたくないだけやのに。
未だ重い空気を無視して、煙の代わりに吐息を零す。
こういうんは僕の役目やしな。
「そんなことより、まずはお帰り、Aちゃん。後で一緒にお茶しよな」
へらりといつものように笑えば、ようやく彼女の顔から緊張の色が消えた。
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華凛(プロフ) - 1番最初から読んできましたが、このパートの78話目のgrさんのセリフに思わず胸がきゅんとしました。お体に気をつけて更新してください。楽しみにしてます。 (2019年7月4日 13時) (
レス) id: 1c6f67374d (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - マロウブルーさん» コメントありがとうございます。長いお話ですが気に入っていただけて嬉しいです！まだまだ続きますが、よければ今後もお付き合いいただければ幸いです！ (2018年11月18日 16時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
マロウブルー - あぁ…何で綺麗で壮大で素晴らしい話なんでしょうか…あなたが神か…そうか…！いやもう、ずっと憧れです！追い付きたいと思うことすらおこがまし(殴)本当にこの話大好きです！影ながら応援しております…！ (2018年11月17日 23時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - この話が面白いのでシャオロンのファン辞めますさん» コメントありがとうございます。生きがいとまで言っていただけて恐縮です…！更新遅くて申し訳ないですが、今後とも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年9月15日 20時) (レス) id: bb8b65fc2e (このIDを非表示/違反報告)
この話が面白いのでシャオロンのファン辞めます - 毎回楽しく読ませてもらっております。ぎすメモとともに私の生きがいです。無理せず毎秒投稿してください！(ネタです。すみません。健康に気をつけてください！更新待ってます！) (2018年9月15日 20時) (レス) id: 8c4421707f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年12月1日 22時
