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主催者への挨拶が終わると、そのままAは来場者の元を順々に回る。
以前から付き合いがあった各国のお偉方に軽く挨拶しながらひたすらグルッペンとオスマンを紹介する作業。
面倒だがこれをきちんとやっておくと、この後Aを介さずとも個別で話すきっかけになる。
オスマンもそれはわかっているようで終始笑顔で挨拶をしていく。
既に疲れた雰囲気を出し始めた総統には僅かに睨みを利かせ、視界の奥で一人食事を皿に取り出したゾムの姿は一旦見て見ぬふりをした。
マレーネの外交官達と挨拶を交わすと、ようやく部屋の一角にあるテーブルへと場所を落ち着けた。
少なくとも今来ている面々には大体紹介はできただろう。
同じテーブルにいたアステールの元部下達が揃って彼らを労う。
「お疲れ様です」
「A外交官、お召し物、とてもお似合いですね」
『ありがとう。二人もね』
「いやー、Aちゃんほんま顔広いんやね。びっくりしたわ」
「…疲れた…」
「あ、終わった？グル氏これ食ってみ、うまいで」
「お前は楽でいいな…」
各々自由に感想を述べるこのテーブルはAもオスマンもあまり気負わなくていいので楽だ。
渡されたシャンパンよりも先に水を飲んで喋り続けた喉を潤すと、不意に背後から響くテノールの声。
「…A外交官かい？」
はい、と返事をしてAが振り向く。
しかし相手を認識した瞬間、彼女の動きは僅かに固まり目も大きく開かれた。
「ああ、やっぱり。久しぶりだね。元気にしていたかな？」
『…ご無沙汰、しております。おかげさまで、なんとか過ごしております』
「そうか、それなら良かったよ」
「…おい、貴様は誰だ。私の秘書に何か用か？」
Aの微かな変化にいち早く気がついたグルッペンが鋭い口調で相手に問う。
その声でようやくそちらに気がついたのか、男は失礼、と前置きして爽やかに笑みを浮かべた。
「私はリズ国の外務大臣を務めている者です。我々の総統閣下でいらっしゃいますね？お噂はかねがね」
「ほう。それで？Aに何の用だ」
「以前からアステールとは親しくさせていただいておりまして、A外交官…失礼、秘書官殿とも親交がありました。久々にお見掛けしたのでお声掛けした次第です」
にこりと笑う男はグルッペンの威圧など全く気にしていない様子である。
そしてグルッペンが口を開く前に次の言葉を重ねてきた。
「よろしければ、彼女をしばしお借りしても？二人で話をさせていただきたいので」
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
