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日差しが差し込むある日の午後、総統室には紙とペンの音が響いていた。
グルッペンの机には山積みの書類、そしてAの机にも同様の書類。
総統である彼の元には様々な重要書類が集まるが、実は彼でなくともできる物もある。
全てを自身で隅々まで確認して片付けたいタイプのトントンと違い、グルッペンは任せられる物は人に任せたいタイプのようだった。
よって秘書を始めて何日か経ったAの元にも早々に書類が回されたのだが、彼女自身は複雑な気持ちで紙面に向かう。


「…あー、終わった」
『お疲れ様です、次はこちらをお願いします。あと、この一山は終了しましたのでご確認を』
「まだあるのか…。お前の方は大丈夫だろう、そのまま次に取り掛かってくれ」
『あの、私は一応新参なので、面倒でも確認していただかないと後々困ります』

この総統はAの判断と能力に任せすぎなのだ。
それなりに自分でも考えながらやってはいるが、内容も見ずに許可を出されるとそれはそれで今後の判断に迷う。
するとグルッペンはさも当然のように顔を上げた。


「面倒だから確認しないんじゃない、Aだから確認しないんだ。お前なら大丈夫だと思っているからな」

威厳のある姿で信頼と自信を与えるグルッペン。
上官から言われる言葉でこれほどの賛辞はない。
こういう人だから周りもついてくるのだろう。
だが、それで絆されるAでもなかった。


『ありがとうございます。…では念の為後でトントンさんに確認しておきます』
「どうせトントンも同じことを言うぞ」
『もう少しコメントはいただけるはずです。…ああ、でも私のせいで余計な仕事を増やしてしまうのは申し訳ないですね。トントンさんにはご迷惑をかけっぱなしですし…』
「あー、わかった!一応見るから!一応だからな、あくまで今後の為の確認だからな」

思わず声を上げたグルッペンに、Aはとてもいい笑顔で微笑む。
その顔で言質を取られたことに気がついたグルッペンはため息を吐いた。

「お前な…」
『良い上司を持てて幸せです。ではこちらの書類は届けておきますね』

そう笑ってAは終わった書類を腕に抱えて退室する。
例の軍服を着た彼女の後ろ姿を止めることもできず、残されたグルッペンは仕方なくAの書類を手に取った。
しかしすぐにその顔に苦笑を浮かべる。

「…心配しすぎだと思うがな」


その後戻ってきたAが淹れてきた紅茶ですぐに彼の機嫌は上昇するのだが、それはまた別の話。

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ミリオ - 小説読ませていただいてます!いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー!!」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください! (2020年3月23日 2時) (レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…!?嬉しいです!更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです!いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます!とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか?失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:璃亜 | 作成日時:2017年7月7日 23時

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