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ひとらんらんに連れられてやって来たのは畑の一角に立つ建物。
どうやら厩と鶏舎のようだ。
手に持っていたひよこを鶏舎の一角に放すと、そこには他にも沢山のひよこがいた。
戻ってきた仲間を歓迎するようにぴよぴよと群がるひよこ達にAの表情が柔らかくなる。
「動物、好き？」
彼女の表情を見たひとらんらんが問いかけるが、Aは少し困ったように眉を下げた。
『好き、だとは思うのですが…あまり接する機会がなかったので、遠目から眺める程度です』
「じゃあ触れ合ってみようよ」
唐突なひとらんらんの言葉にAは驚いたように目を見開いた。
彼は先程とは別のひよこをすくい上げると、Aの目の前に持ってくる。
「ほら、両手出して」
『えっ、こ、こうですか？』
「もう少し包むような形で、そう、そのまま」
そっと手のひらに降ろされた一匹のひよこ。
愛らしい姿とほのかに温かいそれを恐る恐る抱えながらゆっくりと顔を近づけた。
手の中のひよこと目が合う。
しばし見つめ合っていると突如ひよこが手のひらから飛び出した。
『えっ、あ、』
そのまま転がり落ちたひよこに焦るA。
しかしオロオロするだけでどうしたらいいかわからない。
ひとらんらんはすぐにその一匹を捕まえると穏やかに微笑んだ。
「ふふ、そんな顔もするんだね」
『え？』
「Aっていつもきっちりしてて冷静だと思ってたから、何か意外な一面見たな」
そう笑いながらひよこを元に戻す。
Aは少し気まずそうに視線を逸らした。
『すみません、お恥ずかしいところを…』
「え？何で？全然そんなことないじゃん。むしろ俺は今まで以上に親近感わいたよ」
『そうですか？』
「うん。完璧な人ってそう居ないだろうし、」
そこまで話したところで、外の方から騒がしい声が響いてくる。
二人で顔を見合わせてから外へ出れば、何やら喧嘩している様子のコネシマとシャオロン、そして二人を煽るゾム。
乱闘騒ぎになりかけている彼らの誰かの足が、畑の隅の土を踏み抜いた。
「……」
『ひとらんらんさん？』
「A、離れた所に居て。あいつらぶち殺してくるから」
腰元からスラリと抜かれた日本刀。
鈍く光る鋼色にまずい、と直感的に感じた。
そのまま彼らに突っ込んでいくひとらんらん、これが噂の復讐鬼か。
ただならぬ気配と怒り、先程の穏やかな様子とは真逆である。
しかし止めるだけの力は持ち合わせていないので、Aはおとなしくインカムのスイッチを入れた。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
