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三人のお茶会はAの自宅で行われた。
マドレーヌを一つ食べ終えたところでオスマンが口を開く。
「…この前はごめんな、うちの二人が迷惑かけて」
『トントンさんにお聞きになったのですか？』
「うん。お見通しなんやね」
『グルッペン様は大層機嫌を悪くして帰られましたし、トントンさんはかなり気にされていたようなので』
静かに分析して紅茶を飲むAにオスマンの肩が僅かに跳ねる。
あまりに冷静すぎる、もしや予想以上に怒らせたのではないか。
しかしその様子を見た鬱はすかさず声をかけた。
「あいつらAちゃんの気持ちも考えんと言いたいことだけ言って帰ったんやろ。もうなー、そういうところがアカンわ。配慮が足らん。僕なら水ぶっかけて追い返すね」
『そこまでしていませんよ』
「優しいなぁ。でもええ迷惑やったやろ。グルちゃんもわっかりにくいヤキモチ妬いて勝手に不機嫌になっとったし」
『ヤキモチ、ですか？』
「そうそう、Aちゃんが自分より大佐のこと慕ってるんが悔しかっただけやでアレ。子供っぽいやろ。そんなん当たり前なのになぁ」
馬鹿にするように笑う鬱は完全にAサイドで話している。
内心ハラハラしながら聞いていたオスマンだが、ふと彼女が息を吐いたのに気がついた。
『…まあ子供っぽかったのは私もですけどね』
「ん？何で？」
『未来の話をして下さったのに、過去を理由にしたんですから』
自嘲するような笑みを浮かべるA。
対する鬱はいつものようにへらっと笑う。
「ええんちゃう？何が大事かは人それぞれやし、そんなん他人に強制されるもんやないやろ」
『そうでしょうか…』
「僕はそうやと思うよ。だからAちゃんが気に病む必要ないんやで。な、マンちゃん」
「え？あ、うん、せやな」
突然話を振られて慌てて頷けば、鬱は満足そうにチョコレート味のマドレーヌに手を伸ばす。
Aは何か考えるように一点を見つめていたが、やがて静かに口を開いた。
『…グルッペン様はまだご機嫌斜めなんですか？』
「いや？全然。そういや最近部屋にこもって一人で何かやっとるなぁ。…あ、しまった、女の子に聞かす話やなかったかもしれん」
「大先生サイテー。後でグルッペンにチクっとく」
「ちょお待って！まだ死にたない！Aちゃんも今の聞かんかったことにして！今度何か奢るから」
「なにさりげなく約束取り付けようとしてんねん」
二人の会話に小さく吹き出したAは既にいつものように微笑んでいた。
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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます！ (2019年5月10日 23時) (
レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです！ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…！？まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…！お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年5月24日 22時
