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自国へ戻ってきたグルッペンは口をへの字に曲げたまま大股でズンズンと城内を歩く。
綺麗にセットされていたハーフバックの金髪を自らの白い手袋でかき乱しながらまっすぐに自室へ向かっていった背中を見て、トントンは大きくため息を吐いた。
「あ、トントンお帰りー。どやった？」
「てか今のグルちゃん？ヤバない？めっちゃ怖いやん」
声をかけてきたのはオスマンと鬱。
既にかなり疲弊してしまっていたトントンは誰でもいいからこの愚痴を聞いてほしかった。
「はあ？お前らアホやろ」
辛辣なオスマンのツッコミに返す言葉もなく項垂れる。
一部始終を話したトントンに二人は呆れ果てた表情をしていた。
煙草の煙を長く吐いてから鬱が口を開く。
「二人とも女心わかってなさすぎ。傷心の子にそれはアカンわ」
「…別に口説きに行ったんちゃうぞ」
「わかってるけどいきなり本題に入りすぎやろ。僕が行った方がよかったんちゃう？」
「今回ばかりはまだ大先生の方があるわ。あんな、エーデル大佐ってそもそもAちゃんを外交官にした人やぞ。保護した時だって部下の子に絶対にあの人に送ってくれって言われたくらいAちゃんが信頼しとった人やぞ。仕事熱心なあの子が慕ってへん訳ないやろ」
グサグサと刺さる言葉に珍しくバツが悪そうな顔をするトントン。
まあグルッペンの方が問題やったけどな、と呟いたオスマンは大きくため息を吐いて腕を組んだ。
「近いうちにお詫びに行かんとなぁ。勧誘とかなしで、普通に」
「あ、僕も行きたい。Aちゃんに会いたい」
「ええー…？それやったらひとらんかシャオロン連れてくわ」
「マンちゃんさっき僕でもええって言ったやん！」
「うーん、まあ余計なことせんなら確かに大先生が適任かもしれんけど…グルッペンがいいって言うかなぁ？」
「え、それはつまりあの機嫌最悪なグルちゃんに許可取りに行けってこと…？」
「そういうことー」
「死んできてどうぞ」
「トンちまで冷たい…でもあれやな」
何かに気づいたように視線を上へ向ける鬱。
恐らくグルッペンの自室の方向を見たまま煙草の灰を灰皿へ落とすと再び口を開く。
「あんな風になってたってことはグルちゃんも少なからずやらかしたとは思ってるんやろね」
グルッペンの機嫌は確かに最悪だったが帰り道で一度もAの愚痴は言わなかった。
それは二人には伝えていなかったが、あの一瞬で見抜いた鬱にやはり長い付き合いなだけあるとどこか現実逃避じみたことを思った。
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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます！ (2019年5月10日 23時) (
レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです！ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…！？まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…！お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年5月24日 22時
