【wrwrd!】とある社畜外交官の憂鬱２

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総統室のソファーで五人で開くお茶会。
テーブルの上の紅茶や茶請けのカップケーキは優雅な雰囲気を演出しているのに、肝心の参加者の優雅さは全くと言っていいほど皆無だった。

「もうクソ雑魚の癖に話だけはやたら長くて粘るし、その割には外交の仕方下手過ぎやし、ほんまイライラしたわ。Aちゃんといつも如何に有意義な話ができとったか思い知った」

疲れた表情で愚痴を吐くオスマン。
ひとらんもそう思ったやろ！？と憤る彼はカップケーキへ伸びる手が一向に止まらない。
包み紙のゴミだけが机上に増えていく。
話を振られたひとらんらんはまあね、と苦笑してオスマンの淹れた紅茶を飲んでいた。


『…ええと、要はあちらの持ってきた会談は話し合いにも値しない内容だったということでしょうか』
「そう！自分らの利益の話ばっかでうちのメリットが少なすぎんの！あと“お前らは戦争さえできりゃええんやろ？”みたいな態度も腹立つ。関わっとらん国は皆そう思ってんのか！」

「…グルさんのイメージのせいもあるんかなぁ」
「何故だ」
「あんた結構吹っかけたがるし、一時は短いスパンでやっとったし」
「あー…」
「あー、じゃない。ひとらんまで何だ」
「だってグルッペンあんま表舞台出ないじゃん。パーティーとかも行かないからそう思われてんじゃないの？」
「あんなもの行ったって何の役にも立たん。どっかのお偉いさんのご機嫌伺いするくらいなら新しい武器でも買いに行く」
「そういうところやって」

む、と少し拗ねた様子のグルッペンは静かに紅茶を口に含む。
こちらへ向いた視線、お前もそう思うのか、と問われているようだ。
しかしそもそもの話がずれているので軌道修正するべくAも口を開く。


『他国からの印象はわかりませんが、シャスティアはそのような偏見を持っていたということでしょう。そして我々国にとって特に良い条件や約束を提案された訳でもなく、ただただ参戦を迫られただけだったのでお断りして下さった、ということでよろしいでしょうか？』
「Aさん…まとめてもらってすみません」
『いえ、大丈夫ですよトントンさん。それよりも今の発言で合っていましたか？』
「ああ、そういうことだ。我々は奴らの要求を正式に断った。今後組むこともないだろうから安心してくれ。不安なら調べてくれても構わない」

そうは言われたがここまでぶっちゃけた愚痴を聞いたら疑う余地はない。
素直に礼を述べると室内の空気が少し軽くなった気がした。

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