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鬱に連れられて来た部屋、ここへ来るのは二度目になる。
どうやら幹部専用の食堂らしいそこには見知った顔がいくつも並んでいた。
既に事情は知れ渡っているようで、あちこちからA達に声がかかる。
「A、もう起きて平気なん？」
『はい。ご迷惑をおかけいたしました』
「気にせんでええって！それより大先生と一緒とか大丈夫やったか？何もされてへん？」
「シャオちゃん疑いすぎちゃう…？さすがに何もせんって」
「だって大先生やし」
「確かに…」
「あれ、ロボロおったんか。見えんかった」
「やかましいわ！」
プンプンと怒っていた様子の彼は初めて見る顔だ。
と言っても顔の半分以上は天と書かれた紙に遮られていて口元しか見えない。
思わずじっと見つめてしまうと、視線に気づいたのか座っていた彼が立ち上がった。
目線は恐らく同じくらいだろうか。
「あ、初めましてやな！俺はロボロ。一応ここの幹部やっとるんよ。よろしくね」
親しげに笑みを浮かべて握手を求められる。
明るい声色と優しげな態度、口元以外の表情は見えないが彼の豊かな感情が普通に読み取れることに少し安堵した。
『初めまして、アステール第一外交官のAと申します』
「うん、知っとるよ。俺セキュリティー関係も担当してるから、実は外交の様子とか時々見さしてもらってたんだ。黙っとってごめんな」
『いえ、構いません。上の立場の方とお話しさせていただきましたし当然です』
握手に応じながら答えれば彼はホッとしたように胸を撫で下ろしていた。
総統や書記長と話すのならそのくらいしてもおかしくないだろうに。
しかし表に出てきたということは少しは自分を信頼してくれたのだろう。
「おや、これは私も挨拶する流れですかね」
少し離れた位置から落ち着いた声が上がる。
そちらを見れば品の良い格好をした男性が立ち上がっていた。
「エーミールと申します。Aさんのお話はよく聞いてますよ。教職のようなものをしてるのであまりお会いできないかもしれませんが、よろしくお願いしますね」
「エミさんはなー、忙しいからなぁ」
『そうなのですか、お忙しいところありがとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします』
穏やかで紳士的な人だ、落ち着いているし大人っぽい。
教職というのも納得である。
「あと今日おらんのって兄さんか」
「兄さんは明日帰ってくるらしいで」
「お、ほんま？コンプ目前やん！」
なんてことだ、もういっそコンプリートしてしまおうか。
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ゆう - メンバー同士の掛け合いもリアルでテンポよく、話の構成もしっかりしていてとても読み応えがあり面白いです！言葉の選び方や設定まで凄く丁寧で尊敬します。小説として面白く、それでいて『リアル』を崩す事なく描かれていて凄いと思いました。 (2019年8月4日 23時) (
レス) id: 7c238edc15 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - もちえもんさん» コメントありがとうございます。沢山のお褒めの言葉、嬉しいです！書きやすい方と掴みきれていない方でどうしても差が出てしまうのですが、なるべくいろんな方と絡めるように頑張ります。 (2017年5月18日 2時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 恋愛一色ではないのにこんなに好きになった小説は初めてです。メンバーと仲良くなっていく過程が早すぎず、自然で素晴らしいです！キャラが掴めていて、言葉遣いが上手で尊敬します。今後とも楽しみにしておりますm(_ _)m (2017年5月17日 23時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 那月さん» コメントありがとうございます。読みやすいですか…！ありがとうございます！話の進みは遅いですがよかったら今後とも見ていただけると嬉しいです。更新も頑張ります！ (2017年5月16日 13時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
那月 - 夢主ちゃん苦労人ですね；´｀文面もきちんとしていてとても読みやすく、面白いです…!!昔ほど酷くないですが未だにやや男尊女卑の所があるのでそこも共感して読めます。これからどのように夢主ちゃんが戦っていくのかとても気になります。更新頑張ってください(*´-`) (2017年5月16日 3時) (レス) id: 329c4228b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年4月30日 2時
