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「ゾムや」
「ひとらんらん。よろしく」
後から入ってきた二人の名前を脳内で反芻しながら礼をする。
短い挨拶を終えた二人は然程興味もなさそうに、だが少し不思議そうな表情で席へついた。
恐らくグルッペンが他人を食事に招くのは珍しい行為なのだろう。
他国の外交官に対してならこれが普通の反応だ。
フレンドリーに声をかけてきた鬱達の方がおかしい。
「そういやシッマ、さっきのおもろい話ってなんやねん」
「おお、聞かしたるわ！ちょお大先生とひとらんも！」
「アホ、声でかいわ！あっちに聞こえるやろ」
シーッと人差し指を口に当てて声を潜めるシャオロン。
残念ながら全て聞こえている。
もしかしてさっきの話を全員に言うつもりか。
チラリとオスマンを見れば彼はどこ吹く風、全く止める気はないようだ。
また自分が機嫌を取らなければならないのかと少し面倒に思いながらも出された食事に口をつけた。
『…美味しい』
素直に出た感想に隣のグルッペンが満足そうに微笑む。
「口に合ったようだな」
『ええ、野菜の甘みが存分に感じられてとても美味しいです。お料理もそうですが野菜自体も素晴らしいものですね』
「だそうだぞ、ひとらん」
不意に話を振ったグルッペンの視線を辿ればマスクを外したひとらんらん。
頭に疑問符を浮かべるAを見て彼は少し照れくさそうに口を開いた。
「その野菜作ったの、俺」
『！そうだったのですか。知らずにいただいてしまい申し訳ありません。ですがとても美味しかったです』
「いいよ、平気。…ありがとう」
ようやく少しだけ微笑むと彼はまた食事を再開する。
何だこの好青年、めちゃくちゃ良い人じゃないか。
ひとらんらんへの好感度が急上昇している中、ふと内緒話をするように固まって話しているコネシマ達が視界に入った。
途中で気がついたシャオロンが何かを合図するようにこちらへウインクを飛ばす。
どうやら直接対決を期待されているらしい。
とは言え相手次第なんだけれど、などと考えながらその相手を伺うとすぐにバッチリと目が合ってしまった。
「どうかしたか？」
『いえ。…どうやら幹部の方々に囲まれて少々緊張しているようです』
「君がか？とてもそうは見えないが、それなら私と話せばいいだろう」
『総統閣下のお優しいお心遣いにはいつも感謝しております。ですがあまりご迷惑をおかけすることはできません』
「迷惑なら最初から食事に招待しないと思わないか？」
あれ、案外やる気だぞこの人。
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ゆう - メンバー同士の掛け合いもリアルでテンポよく、話の構成もしっかりしていてとても読み応えがあり面白いです！言葉の選び方や設定まで凄く丁寧で尊敬します。小説として面白く、それでいて『リアル』を崩す事なく描かれていて凄いと思いました。 (2019年8月4日 23時) (
レス) id: 7c238edc15 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - もちえもんさん» コメントありがとうございます。沢山のお褒めの言葉、嬉しいです！書きやすい方と掴みきれていない方でどうしても差が出てしまうのですが、なるべくいろんな方と絡めるように頑張ります。 (2017年5月18日 2時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 恋愛一色ではないのにこんなに好きになった小説は初めてです。メンバーと仲良くなっていく過程が早すぎず、自然で素晴らしいです！キャラが掴めていて、言葉遣いが上手で尊敬します。今後とも楽しみにしておりますm(_ _)m (2017年5月17日 23時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 那月さん» コメントありがとうございます。読みやすいですか…！ありがとうございます！話の進みは遅いですがよかったら今後とも見ていただけると嬉しいです。更新も頑張ります！ (2017年5月16日 13時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
那月 - 夢主ちゃん苦労人ですね；´｀文面もきちんとしていてとても読みやすく、面白いです…!!昔ほど酷くないですが未だにやや男尊女卑の所があるのでそこも共感して読めます。これからどのように夢主ちゃんが戦っていくのかとても気になります。更新頑張ってください(*´-`) (2017年5月16日 3時) (レス) id: 329c4228b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年4月30日 2時
