地図 2 ページ13
宇佐美上等兵は、どうやら再び一人で犯行現場へと向かったらしい。急いで菊田さんと共に向かうと、「遅いですよ。何してたんです？」と不満げな表情で文句を言われた。
「悪いな。こいつが起きたのがついさっきなんだ」
「ふーん。まぁいいですけど〜」
「それより、何かわかったんだろう？」
「えぇ。もちろん。僕が手に入れた手がかりはこれです」
そう言って彼が取り出してきたのは、一枚の紙だ。この現場の近くにいた新聞屋の男から奪い取ってきた物なのだという。
「お前…なかなか戻ってこねぇと思ったら、そんなことしてたのか」
「どっかの役立たずさんたちは、さっさと旅館に戻っちゃいましたもんね」
「悪かったな」
「いえ、いいんです。僕は優しいですから」
菊田さんの嫌味にも動じることなく、宇佐美上等兵は余裕たっぷりに答える。そして、「これ見てください」と言って、手に持っていた紙を私たちに差し出した。継ぎ接ぎだらけのそれは、どこかの地図のように見える。
「これ…もしかして、札幌の地図ですか？」
「うん。あ、ここ見て」
宇佐美上等兵は札幌の街を指差す。そこは、昨日の事件があった場所の近くであった。
「ここに丸印が書いてあるでしょ。ここが今まであった犯行現場だ」
「ちょっと待て。犯行現場は4ヶ所だろ？この地図には丸が5つあるじゃねぇか」
菊田さんが指摘をすると、宇佐美上等兵は不敵な笑みを浮かべながら「ええ。その通り」と答えた。
「恐らく、ここが次の犯行現場でしょう」
宇佐美上等兵が指し示したのは、2番目の犯行現場の近くだった。確か、ここには大きな工場があったはずだ。
「ここ…札幌
「僕だって知りたいですよ。でも、この丸は間違いなくそこを指し示してる。間違いありません」
「……わかった。今夜、鯉登少尉たちと時計台で合流する手筈になっている。そこで、この情報を共有次第、札幌麦酒工場で囚人を捕まえるぞ」
「わかりました」
「はい」
こうして、私たちは、連続殺人犯を捕まえるべく、夜まで待機することになった。
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あも(プロフ) - 鶴見さん・・・・・・(´;ω;｀) (10月7日 1時) (
レス) @page45 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうこざいます。温かいお言葉をが身にしみます😭💦💕 (10月6日 20時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 元々の原因はウイルクなのに、アシㇼパ責めるのは間違っているとはみんなわかっているんですが、人間なので誰かに責任をなすりつけて、きつく当たっちゃうんでしょうね……。 (10月6日 20時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこ(プロフ) - とても面白かったです！更新ゆっくりで大丈夫です！待ってます☺️ (10月2日 17時) (レス) id: 637f77ba76 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - この回は、何度読んでも辛い・・・。私鶴見さんも大好きなので、彼の苦しみ悲しみ憎しみがすごく伝わってきて、辛くて悲しいです。アシリパさんは悪くないのに、元凶であるウイルクさんの娘である彼女を責めてしまいそうになる。感情がぐちゃぐちゃになります(´;ω;｀) (9月25日 9時) (レス) @page40 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年8月10日 23時
