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【音楽室】と書かれたプレートが下がっているその部屋に入り重たいドアを閉める。
その瞬間、張り詰めていた心の糸がプツリと切れ、ドアに背を預けながらしゃがみこんでしまった。
ぼやける視界、手の甲に落ちる涙。
何故自分が泣いているのか、自分でも理解出来なかった。
「擦ったら目が腫れちゃうね！」と、かつて日和くんが言っていた事が頭に思い浮かび、目から溢れ出るそれが治まるまで、私は声を上げることなく泣き続けた。
しばらくすると涙は治まり、頬についているであろうその跡を手の甲で拭うと、月光に照らされ神秘的な雰囲気を纏うグランドピアノの前まで、導かれるように歩き出した。
重たい鍵盤蓋を開け、フェルト製のワインレッドのキーカバーを外すと、白と黒の美しい鍵盤が姿を見せる。
ピアノ椅子の高さを調節することなく座ると、私は鍵盤に指をかけ、自分の心向くまま弾き始めるのだった。
自分の心に何かあった時には、必ずここに来てピアノを弾くのが日課になっているため、この場所が学校内で1番のお気に入り。
幼い頃から弾いていたピアノ。
始めた動機なんて思い出したくないけれど、心のそばにはいつもピアノがあった。
嬉しい事も悲しい事も、ピアノと一緒に共有する。
楽器は嘘をつかないから、今の自分の感情を正直に表現し、自分の代わりにその感情を叫んでくれるのだ。
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リア(プロフ) - 最高に面白いです！日和が可愛すぎる！！！更新楽しみに待っています(^^) (2020年1月24日 17時) (
レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 凄く私好きな話だと思います！滅茶苦茶好きになりました！！更新待ってます。頑張ってください！！ (2020年1月23日 6時) (レス) id: 1d868b34d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水神友花 | 作成日時：2020年1月19日 12時
