元帥の手袋が46枚 ページ48
目が覚めたら、目の前には真っ白な天井が広がっていた。
のそり、と身を起こすと、腹部に強烈な痛みを感じ、顔をしかめた。
「いって・・・。」
腹に目をやると、病院服にはわずかに血がにじんでいて、ついついため息が出た。
うわぁ・・・。ハッスルしすぎた・・・。
後悔は全くしていないけど反省はしています。あそこでもし万が一母さん来なかったらどーするつもりだったんだよ俺・・・。ギャンブラーになった覚えないんだけど・・・。
あーていうか匡大丈夫かな・・・。外傷はないようだけど頭でも打ったら・・・。
・・・やばい思い出したらまた怒りが。もっかい殺したろかあの野郎。
軋む体に鞭打ってベッドから抜け出す。うわぁ眼鏡もないよ。立ち眩みもあってまともに立てず、思わず近くの台に寄りかかる。
・・・が、運悪くその台はキャスター式だったようで。大きな音を立てて俺は地面に倒れこんだ。
「っく・・・。」
っああああああああいってぇえええええええ!!!!!!!
やっばいなんか傷開いた感がすごい!!!痛い!!!
痛みに呻いていると、廊下を誰かが焦ったように歩き、俺の病室の前で止まった。
「A!!何をしている!!」
「とう、さん・・・。」
「傷はまだふさがってない、おとなしく寝ていなさい。」
溜息を吐く父さんに抱き上げられ、あえなくベッドに逆戻りする。なんだこの羞恥は・・・。
「・・・父さん。ここは?」
「日本だ。安心しろ、匡に別条はない。」
「・・・そうですか。」
改めて聞くと安心する。匡の頭に何の後遺症も残らなくてよかった・・・。
「…A。君が匡を大事にしているのはわかる。ありがたいとも思っている。だが自分のことも大事にしてくれ。頼むから。」
手を握られ、祈るようにそう零す父さん。
「……すみません。迷惑をかけました。」
「…全くだ。心臓が潰れる思いだったんだぞ…。」
「…父さん。」
「…もう、無茶はやめると約束してくれ。」
「…それは、できません。」
「A‼」
「…私は、兄なんです。兄なんですよ…。」
この家族がいたからこそ、俺の人生は色づいた。この家族が俺の全てなんだ。だから、匡に危険が訪れれば、俺はすべてを投げ打ってでも救う。この家族を守る。だって、俺は___
「異端者の兄は、弟を終焉から救わなければならないんです。」
(__
637人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃあ - 我、安赤派也。 (2020年8月4日 17時) (レス) id: 91b3f57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずアイス - 私は赤安赤が好きかな...とくに右固定とかなくキャラを重要視するタイプw (2020年4月29日 0時) (レス) id: 5775b0dae5 (このIDを非表示/違反報告)
上級国民(笑)(プロフ) - あぁ、ワイも安赤派ですわ...。 (2020年4月18日 16時) (レス) id: ac87fab8f9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(クロネコ)(プロフ) - マイナー好きが多くなればそれはマイナーではなくなるのだ!!!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: e1f55013ea (このIDを非表示/違反報告)
無月 - ベルク元帥閣下、、、? (2018年9月24日 14時) (レス) id: e6b756c8a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ