元帥の手袋が36枚 ページ38
No side
今回のターゲットである渋谷リョウから情報を聞き出し、始末するため、ベルモットは"シャロン・ヴィンヤードによく似た女"に変装し、彼の愛人として潜り込んでいた。
『フローラ。近々休みが取れそうだ。君が前から行きたいと言っていた遊園地に行こうじゃないか。』
届いたメールにベルモットは笑みをこぼす。中々に手強かったため、久しぶりにやり甲斐を感じていたが、やはり彼も男。そろそろ決着がつくだろう。
いつも以上に着飾り、楽しそうに振る舞うベルモット_フローラ・ローレッジ_を見て、リョウは笑っていた。かわいそうに、これから死ぬということを彼は知らない。ごめんなさいね、と、ベルモットは心にもない謝罪の言葉を脳裏に浮かべて笑った。
「ねぇ、リョウ。観覧車に乗りましょうよ。私ずっと気になってたの。」
「全く、しょうがないねフローラは。いいよ、僕のお姫様のお望みのままに。」
「もうっ、リョウったら!」
長い列に並び、最後の最期まで情報を搾り取らねばならない。そう思ってフローラは口を開こうとした。
…そう、開こうとしたのだ。
彼女は気づいた。自分たちの後ろに並ぶ少年たちの片割れ、眼鏡をかけた少年が自分を見ていたということに。
見惚れているのだろうか。いいや、断じて違う。少なくとも、あれは決して、美しい女に釘付けになった目ではない。
例えるならば、嫌な人を見てしまった、と、そういう目だろうか。眉を寄せ、綺麗な瞳を細めるその姿は睨まれているともとれる。
何処かであったことあったかしら…?と、ベルモットは密かに疑問に思うと、少年はすっと目をそらし、もう一人の少年に向き合った。その目はとてもやさしくて、まるで自分の宝物を見ているようだった。
ベルモットは僅かに目を見開いた。面白い、と、素直に思った。興味はあったが、今は任務の真っ只中で、しかも彼らの側に控える、己に勝らぬとも劣らない美貌の女性_おそらく、母親なのだろう_が巧妙にこちらの視線を塞いでいる。ここまでか、とベルモットは思い、再び思考を任務の方に傾けた。
背後から聞こえた歌が、やけに耳に残った。
★ーーーーー
今日友達に聞かれたのですが、E'delihの最推しCPは新快です。「ほんとマイナーなの好きだよな」とか言われました。そんなことないと信じたいです。
637人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃあ - 我、安赤派也。 (2020年8月4日 17時) (レス) id: 91b3f57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずアイス - 私は赤安赤が好きかな...とくに右固定とかなくキャラを重要視するタイプw (2020年4月29日 0時) (レス) id: 5775b0dae5 (このIDを非表示/違反報告)
上級国民(笑)(プロフ) - あぁ、ワイも安赤派ですわ...。 (2020年4月18日 16時) (レス) id: ac87fab8f9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(クロネコ)(プロフ) - マイナー好きが多くなればそれはマイナーではなくなるのだ!!!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: e1f55013ea (このIDを非表示/違反報告)
無月 - ベルク元帥閣下、、、? (2018年9月24日 14時) (レス) id: e6b756c8a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ