【名探偵コナン】某元帥リスペクト系男子が転生しました 1st【転生トリップ】 (ページ37)

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元帥の手袋が35枚ページ37

一生懸命前方から視線を逸して匡と戯れる。匡はちょっと首を傾げながらも嬉しそうに笑ってる。ありがとう世界。俺の天使がこんなにもかわいい。あ、母さんなら俺たちを微笑ましそうに見ています。聖母の笑みだ。何人かの男が彼女そっちのけで母さん見ててビンタくらってた。ふははははざまぁないなリア充め！！浮気をするのは男の性だがそういうのは彼女のいないところでやれ。まあ母さんは渡さないんですが。

一人心の中でシャドーボクシングしてたら、一緒にしりとりしていた匡が思いついたように言った。

「兄ちゃん！！この前のアレ歌って〜！！」

「この前の？……あぁ。」

思い出すのは少し前の休日。匡が国民的仮面ヒーローアニメに釘付けになっているとき、俺は部屋にいた。

特に理由はなかったが、ふと歌が聞きたくなったからである。もちろん我らが栄光の移動王国のをだ。

骨の髄まで王国民と化していた俺は未だに国歌独唱楽勝だったが流石に5年も触れていないとキツイ。こちらのバンドも悪くはないがやはり一歩及ばない。

ならばどうするか。やるべきことは一つしかない。

俺はまず、記憶に残っている歌詞を全て書き出した。セリフとかは流石に完璧とは行かなかったが、なかなかに上出来だと思う。歌詞ノートの完成だ。やはりこれだけでも満足度が違うね。

歌いながら地平線ごとにまとめていっていたら、ガチャリとドアが開く音がして、匡が入ってきた。匡は歌っている俺を見てキョトンとしていたが、すぐに目を輝かせた。

「わぁあ！！兄ちゃんすごい！！その歌はなに？」

「気に入ったか?これはな、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」

夏穂は長男から聞こえる歌声に一瞬動きを止めた。

知らない曲だった。美しい歌声だった。ただそれ以上に、夏穂の胸をざわつかせる何かがあった。

不思議な曲だと思う。ただそれだけなのに、何故かひどく胸が苦しくなる。

そう、まるで、子供たちの未来を＿＿＿＿＿＿

＿＿＿まさか。考えすぎね。

夏穂は小さく頭を振って考えることをやめ、再び笑みを浮かべ、二人に視線を戻した。

(二人の少年の戦いの年代記(クロニクル))