辛いーオニュ sideー ページ6
―オニュ side―
Aヌナとトゥギヒョンが結婚した。
付き合っていたのだから、当たり前といえば、当たり前の事。
でも、ずっとヌナの事を想ってきた僕には地獄でしかなかった。
Aヌナが悲しい時そばにいたのは僕。
でもヌナはトゥギヒョンを選んだ。
何も言えないまま僕は自分の気持ちを心の奥底に沈めた。
忘れようとも思った。
何度も。
でもできるわけがない、生まれて初めて本当に愛した人だから。
結婚式でのAヌナは本当に綺麗だった。
桜に手を引かれトゥギヒョンの所までゆっくり歩く。
僕の横を通り過ぎる時、いつものAヌナの柔らかな香りが漂ってきた。
僕はそれだけで幸せだった。
Aヌナが他の人を愛していてもいい。
本当にそう思えた。
でも、ヌナにお祝いの言葉を言えない自分もいた。
何度も機会はあったのに。
式の翌日、僕とジョンヒョンとキーはoffでコテージに泊まり、ラウンジで朝食をとっていた。
僕らより前にデビューしたBoAヌナが同じテーブルについてきた。
KY「BoAヌナ、おはようございます」
JH「おはようございます。
よく寝れましたか？」
ON「おはようございます」
BA「みんなおはよう。うんスッキリ！
こんなにゆっくりしたのってホント久しぶり」
JH「そうですよね、この間カムバしたばかりだから、今回よく休み取れましたね」
BA「会長を脅してみた」
KY・JH「えっ」
BA「ヌナの結婚式なのに、参加できないなんて考えられない！
だから、会長に今回スケジュール開けてくれないと、今後の仕事ボイコットするって」
KY「本当の脅しだね」
JH「BoAヌナにそんなこと言われたら、会長受けるしかないじゃん」
弟たちが顔を見合わせて、そんなことを言っている。
BA「オニュ、静かだね。
どうしたの疲れてるの？」
BoAヌナの呼びかけに我に帰り見返す。
ON「いえ、ただ朝だからボーとしてしまって」
言い訳でなんとかごまかす。
ぼーっとなんてしていない。
神経はずっと入り口の方に向いている。
Aヌナがいつ来るのかと。
諦めの悪い自分に辟易していた。
トゥギヒョンが満面の笑みで、笑窪を携えながら、Aヌナの手を引いて入ってきた。
やっぱり辛い。
ヒョンの横で微笑んでいる。
幸せそうな笑顔。
全てが心に刺さってくる。
僕たちのテーブルまで来て、お礼を言っている。
ジョンヒョンやキーはスキンシップをとって素直にお祝いを言っていた。
僕は、小さくお祝いの言葉を呟くしかできなかった。
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作者名：eddy | 作成日時：2015年1月30日 12時
