再来… 13 (和) ページ9
和也Side
こんな俺のために早起きして…
仕事前にこんな手間をかけさせて…
ごめん…本当にごめんなさい…
情けないし、悔しいし、こんな弱っちい自分に腹が立つ。
落ち込んで自分を責めることで気を紛らわそうとするのは簡単だけど…でもそれじゃ何も変わらないから。
せめて、これ以上心配も迷惑もかけないように。
弱気になる心に鞭打って、立ち向かっていく覚悟を決めた。
翔「うーん…顔色悪いなぁ。腹痛いんじゃない？」
なのに、どうしても俺は弱さを隠しきれない。
痛みも苦しさも葛藤も、笑顔の奥にしまっておこうと思うのに。
検査から一日…二日…と経つごとに、なんとか動かしていた身体が悲鳴を上げ始める。
智にぃに処方してもらった薬も、効果が現れるどころか症状は悪化していった。
翔「今日も仕事忙しかったんだろ？
…もう少ししっかり休めればなぁ。なかなか良くならないもんな」
智「痛み増してる？んー…そうだね、一度診ておこうか」
今も自分では表情に出さないようにしているのに。
フラっと近寄ってきた智にぃと目が合ってしまったと思った瞬間、簡単に俺の心は読み取られてしまった。
智「横になってちょっとお腹触らせ…ん？か、かず？」
なんでなんだよ…どうして俺はいつもこうなんだっ！
下を向いて奥歯をぐっと噛み締めた直後、急に胃の辺りに絞られるような痛みが襲ってきた。
翔「どうした…和？おっ！」
和「…ぐぁっ！…うぅっ！」
それはすぐに激痛に変わり、その場に立っていることも出来ず膝が折れる。
床に崩れ落ちそうになった瞬間、目の前にいた翔にぃに抱え上げられた。
翔「腹か？ごめん、ちょっと我慢な。場所移動しよう」
Aやゆいもいるリビングで、こんな姿は見せたくない…
よかった…ごめん…ありがとう…
痛みに思考を奪われながらも、頭の片隅でそんなことを思いながら身体がふわっと浮くのを感じていた。
.
智「だいぶ強い痛みだったね」
翔「痙攣か…？ちょっと心配だな」
自分のベッドの上で、脂汗を拭いてもらいながらぐったりとする。
幸い激痛は数分で治まったけど…
和「…っ！…っくあ！」
ポケットの中で、今日何度目かもわからない着信を知らせるスマホが震える。
ビクンとした瞬間、腹の中までぎゅっと収縮した気がした。
和「…うぁっ！」
またっ…？
嫌だっ…
もう嫌だっ…
そう願ったところで、意味はない。
振動を感じながら、再び襲ってきた激痛に声を漏らした。
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ちさ(プロフ) - 琴子さん» こんばんは琴子さん♪ いえいえ！お忙しいなか温かいコメントを、本当にいつもありがとうございます。夏のような暑さになったかと思えばここ数日は冷たい雨…体がおかしくなってしまいそうです。今回から新Partに移行しましたので、あちらでもよろしくお願いいたします (2019年6月8日 23時) (
レス) id: 2f0afe0567 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 朝早くにすみません。ご無沙汰しています。メッセージ最近は特に送れずすみません…m(_ _)m 雨の季節になりましたね。今夜の更新を楽しみにしています♪♪♪ (2019年6月8日 7時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 翔さんさん» こんばんは、翔さんさん。今回は小児科医和先生の温かさが出せたら良いなと思って書いていましたので、そのように言っていただけてとても嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2019年5月4日 21時) (レス) id: 2029d5744d (このIDを非表示/違反報告)
翔さん - 和にぃの優しさが伝わってきました＾＾令和最初に良い話が読めました！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 4771dff308 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - rabbitさん» こんばんは、rabbitさん。やっとですね〜。一度甘えられれば、この後はずーっと和にぃにベッタリだと思います(笑) ニマニマして読んだ、は最高の褒め言葉です、ありがとうございます！次回もまた楽しんでいただけたら嬉しいです (2019年5月2日 19時) (レス) id: 2029d5744d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2019年2月10日 22時
