桜の涙 4 (潤) ページ19
潤Side
眠りに落ちてどれほど経った頃か…自分の身体が震えていることに気づいて目を覚ます。
それだけではハッキリとしなかった意識も、激しい頭痛によって強制的に覚醒された。
潤「…っ…勘弁してくれっ…」
眠れば治るという希望は見事に打ち砕かれ、軽快どころかより強くなった痛みに文字通り頭を抱える。
悪寒に…頭痛に…倦怠感…
完全に発熱してるな。
なんなんだ…まさかこの時期にインフル…
潤「っく！…まだ…よじっ…か」
スマホで時間を確かめようと手探りでボタンを押す。
ディスプレイの光が余りにも眩しくて、反射的に仰け反ってしまった。
痛みに唸りながら目を細めて確認した時刻は4時を少し過ぎたところで…
こんな時間に智にぃを起こしてしまうことには気が引ける…
無理矢理にでも寝ておけば二時間なんてあっという間だろうと、再び目を閉じた。
.
潤「…ﾊｧｯ…っ…ﾊｧｯ…うぅっ…」
カーテンの隙間から漏れ出す光…
ドアの外から足音…
結局、朝になるまで一睡もできなかった。
悪寒で身体は震え、頭痛に加えて腹までおかしくて、痛みに耐えようと自然と呼吸も荒くなる。
これはまずい…仕事だなんだと言っている場合ではない…
今の足音は智にぃだろうか…早く助けを求めるべきだ…
そう素直に思ってしまうくらい、恐怖を感じるほど昨夜からの体調は増悪していた。
結「あっ、じゅんくん！おはよ〜」
潤「おはよう、ゆい。久しぶりだね」
なかなか起き上がれずに15分が経過したころ、なんとか布団から這い出てフラつきながらリビングに向かった。
出迎えてくれたゆいは、いつもよりだいぶ早起き。
ニコ〜っと笑った顔を見て、ようやく思いだした。
結「きょうねぇ、おはなみね！」
潤「そうだったね。お花見、楽しみにしてたもんな」
何日も前から…なんなら一年前、桜が散ってしまったその瞬間から、ゆいはこの日を心待ちにしていた。
『誰か』とではなく、『全員』でお花見に行くことを、ずっと楽しみにしていたんだ。
智「おはよう、潤。体調はどう？」
潤「おはよう。体調は…大丈夫。だいぶ良くなったよ」
…つい口から出てしまった嘘。
完全に誤魔化すことはできなかったようだけど…
みんなに心配をされながら、それでも大丈夫だと言い張って、朝食を取り始めた。
インフルエンザにかかっている可能性だってあったのに…
この時すでに俺は、冷静な判断すらできなくなっていたんだ。
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ちさ(プロフ) - 琴子さん» こんばんは琴子さん♪ いえいえ！お忙しいなか温かいコメントを、本当にいつもありがとうございます。夏のような暑さになったかと思えばここ数日は冷たい雨…体がおかしくなってしまいそうです。今回から新Partに移行しましたので、あちらでもよろしくお願いいたします (2019年6月8日 23時) (
レス) id: 2f0afe0567 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 朝早くにすみません。ご無沙汰しています。メッセージ最近は特に送れずすみません…m(_ _)m 雨の季節になりましたね。今夜の更新を楽しみにしています♪♪♪ (2019年6月8日 7時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 翔さんさん» こんばんは、翔さんさん。今回は小児科医和先生の温かさが出せたら良いなと思って書いていましたので、そのように言っていただけてとても嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2019年5月4日 21時) (レス) id: 2029d5744d (このIDを非表示/違反報告)
翔さん - 和にぃの優しさが伝わってきました＾＾令和最初に良い話が読めました！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 4771dff308 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - rabbitさん» こんばんは、rabbitさん。やっとですね〜。一度甘えられれば、この後はずーっと和にぃにベッタリだと思います(笑) ニマニマして読んだ、は最高の褒め言葉です、ありがとうございます！次回もまた楽しんでいただけたら嬉しいです (2019年5月2日 19時) (レス) id: 2029d5744d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2019年2月10日 22時
