桜の涙 2 (潤) ページ17
ASide
ご飯を食べ終え、ゆいを寝かしつけ、ここからは大人だけのゆったりタイム。
…の、はずだったんだけど。
和「どこ。ここ？あ〜、ここだ」
雅「いっ！ったぁ！イタタタタ！和、もっと優しく！」
ラグの上にうつ伏せになった雅にぃに、和にぃが馬乗りになって押さえつけている。
背中に痛みがあるみたいで、和にぃが診てくれているんだって。
雅「ちょっ、その肩甲骨のとこ痛い！痛いよ和！」
和「わかってる。だいぶ凝ってるもん。ほら、フーって息吐いて？フーって」
雅「ふぅ…うううう痛っ！力が強いって！潤ならもっと優しいのに…」
どうやら日々の仕事の合間にも、潤にぃにマッサージをしてもらうことがあるらしく。
和にぃは「それほど強く押してはいない」と言いながら、「翔にぃならもっと痛い」と言い返していた。
手加減のない翔にぃが当直でいないのは幸いだったかもしれないけど、神の手の潤にぃまでいないのは残念だったかな、雅にぃ。
もう少しで22時…予定通りなら、そろそろ帰ってくるはず。
和「ちょっとストレッチしておこう？頭も痛いって言ってたし、少しは楽にしておかないと明日お花見に行けなくなっちゃうよ」
わずかに口をとがらせて言った和にぃの顔を、雅にぃは見られていない。
でも背中で感じているとは思うよ。
和にぃは虐めているわけでもわざと痛くしているわけでもなく、本気で心配してくれているんだ、って。
智「今日は一人で庭の手入れを頑張ってくれたからね。疲れちゃったかな」
「智にぃもマッサージする？一日準備してて疲れてるでしょ？」
明日は一般の人向けの講演会をする予定の智先生。
今日はその準備に忙しそうだったから。
お腹の病気についてのお話と、健康づくりのための相談会だって。
せっかくだから私も行ってみようかなって思ってる。
智「ううん、大丈夫だよ。ありがとね」
「ほんと？明日のお花見行けなくなったら？」
智「ふふっ、それは困るなぁ。じゃあちょっとだけ、肩もみしてもらおうかな」
冗談っぽく言ってみたら、智にぃは私に背中を向けながら笑ってくれた。
「任せて」って、膝立ちになって肩に手を伸ばす。
リビングのドアが開いたのはそんな時だった。
智「あ、おかえり、潤」
「おかえりっ…なさ…」
二日間の研修会から帰ってきた潤にぃの表情に、少しドキッとする。
…顔色が悪い。
それに気づいた智にぃも、「お疲れさま」って、心配そうに声をかけていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1834人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちさ(プロフ) - 琴子さん» こんばんは琴子さん♪ いえいえ！お忙しいなか温かいコメントを、本当にいつもありがとうございます。夏のような暑さになったかと思えばここ数日は冷たい雨…体がおかしくなってしまいそうです。今回から新Partに移行しましたので、あちらでもよろしくお願いいたします (2019年6月8日 23時) (
レス) id: 2f0afe0567 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 朝早くにすみません。ご無沙汰しています。メッセージ最近は特に送れずすみません…m(_ _)m 雨の季節になりましたね。今夜の更新を楽しみにしています♪♪♪ (2019年6月8日 7時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 翔さんさん» こんばんは、翔さんさん。今回は小児科医和先生の温かさが出せたら良いなと思って書いていましたので、そのように言っていただけてとても嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2019年5月4日 21時) (レス) id: 2029d5744d (このIDを非表示/違反報告)
翔さん - 和にぃの優しさが伝わってきました＾＾令和最初に良い話が読めました！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 4771dff308 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - rabbitさん» こんばんは、rabbitさん。やっとですね〜。一度甘えられれば、この後はずーっと和にぃにベッタリだと思います(笑) ニマニマして読んだ、は最高の褒め言葉です、ありがとうございます！次回もまた楽しんでいただけたら嬉しいです (2019年5月2日 19時) (レス) id: 2029d5744d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさ
| 作成日時：2019年2月10日 22時
