私は美食家にまとわりつかれてます。取り敢えず助けろ【月山習】 (ページ5)

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#3 苦手なあの人ページ5

月山｢おはよう、charming girls｣

･･･やっぱり無理だあの人

実は私、月山くんが苦手である

あの女誑しっぽい感じ、ナルシスト感･･･無理

でもあの人1番身近で見れる喰種なんだよな･･･って動物園か

なんて考えていると

《ガサッ!!》

皆｢！？｣

頭上の木が揺れ、葉が落ちてくる

ちえ、虫落ちてきたら嫌だよ･･･

それになんか皆こっち見てるし

でも、やっと下りてくれたみたいだ

｢･･･ひゅー｣

｢ミスチエ！？｣

｢あ、月山くんおはよ｣

当然のように会話をするちえと月山くん

私忘れられてるのかな

いや、月山くんには気付かれなくていい

『そちらの方は？』なんてなる前にさっさとずらかろう

｢掘さん、先に行ってますよ｣

｢あ、待って！月山くん、後にして。じゃね｣

｢あ、おう･･･｣

後ろから追いかけてくる足音はあっという間に私に追いついた

｢･･･よかったのですか？月山くんとお話していたのに｣

｢別にいいよ。あ、猫｣

カメラを構えて再び猫を追いかけていく

朝からそんなに走ってよくバテないな･･･

この調子だと午前はずっとあんな感じかな

しょうがない、ひとりで教室行こう

私は今、今日の全授業が終わって解放感を噛み締めている

私は優等生

どんなに退屈な授業でもちゃんと寝ないで完璧に終わらせないといけない

ほんと、授業中に寝なかった私を褒めてほしい

帰りの支度をして教室を出ていく皆を眺めながらぼんやりする

･･･私はまだ帰れない

ちえは放課後の校内でも良い被写体を求めてカメラを構えて走る

友達と帰る人とか部活動をしている人とか、夕日とか･･･放課後じゃないと撮れないものがあるらしい

私はちえが満足して迎えに来るまで教室で待機

誰も居なくなった教室で、私ひとりきり

･･･寂しい

その寂しい時間を紛らわすために私は暗闇へ落ちる

自分の机に顔を伏せると、すぐに眠気が襲ってくる

これはすぐに眠れそうだ

A｢･･･おやすみ｣

ゆっくり瞼を下ろすと、私はすぐに暗闇へ引きずられていった