【もしも明日が無かったら】END ページ49
彼の一言がまったく理解出来ず間抜けな声を出してしまった
13「忘れたか?お前は人間で、俺様は死神。いくらずっと一緒って言っても・・・お前は死んじまうだろ?」
「・・・」
13「Aはいつ死んじまうかわかんねぇ。明日かもしれねーし、今日かもしれねぇ。だから寂しくならねぇように距離置いてたって訳。これ以上親しくなっちまったら、離れ難いだろ?」
「だからもし明日が無かったらって・・・」
13「俺様死神なんで人間の死なんざ見慣れてるが・・・Aの死は受け入れられそうにねぇからな。ま、もう手遅れだけどな」
そう言って彼は割れ物を触るように私の頬に触れた
その手は冷たく、違う生き物なんだって実感させられる
しかし、久しぶりに触れられたことが嬉しくて頬に被さる彼の大きな手に自分の手を重ねた
「ねぇ13」
13「ん?」
「私がもし死んだらさ・・・13が私の魂持っててくれないかな?」
13「・・・・・・は?」
「ダメ、かな?」
13「・・・ダメだな。魂は輪廻に戻さねぇと生まれ変われなくなる。そしたら相棒は」
「それでもいい」
13「よくねぇ。さっきも言っただろ?俺は死神、お前は人間。俺は魂を狩って輪廻に戻す、お前は輪廻を巡り続ける」
「13と一緒に居られなくなるくらいなら!!私は生まれ変わりたくない!!!」
13「A・・・・・・ふっ。ったく、俺様の相棒は」
13は悲しげな表情をして名前を呼び
そして呆れたように笑った
13「俺も最初、お前が死んだら魂奪ってやろうと思ってたんだよ」
「え?」
13「せっかくお前の事思ってやめにして距離とってやったのに。さすが、考える事は同じってか」
「そりゃそうでしょ。私と13は永遠の相棒なんだから」
13「おい、あんま嬉しくなるようなこと言うなよ?今すぐ狩っちまいたくなるだろ」
「それは勘弁してもらって。今はまだこうやって触れてたいからね」
13「・・・そうだな」
13(なぁ、ホントにいいのか?死んだらって話)
(いいよ、ずっと一緒でしょ?そっちが嫌って言っても絶対離れてやんないからね)
13(はっ、二度と離れるかよ)
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作者名:チェシャ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Cheshire0811/likes
作成日時:2022年9月16日 17時