ラウールside ページ5
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先生に連れられて、自分の教室の隣にある空き教室に入る
先生｢大丈夫か？｣
｢...｣
心配そうに大丈夫か？なんて声をかけてくる
なんでさっき助けてくれなかったの？後から声だけかけて取り繕うようなことされても...
なんて今は先生を責めるような考えしか出てこない
先生｢びっくりしたよな、止められなくてごめんな｣
｢...｣
何を話したらいいのか分からなくて黙り込んでしまう
｢最近はちょっと怖くて。体育祭の準備で忙しかったり、そう言うのも色々あって距離を置いてたんですけど...｣
先生｢...それは先生も薄々感じてた｣
｢俺が可笑しいだけで友達ってこういうものかと思ってたけど...さすがに違いますよね｣
先生｢そうだな、流石に今日のはやりすぎだ｣
現実を突きつけられたようで鼻がツンと痛くなる
必死に涙を引っ込めようと深呼吸すると、隣の教室がザワつく
大和｢まだあいつ来ねぇな...先生、オレ探しに行きましょうか？笑｣
隣から聞こえてくる声に、思わず身体が反応して立ち上がる
少しバカにしたような声が聞こえて、ニヤつきながら話す顔が浮かぶ
｢どうしよう、探しに来る...｣
先生｢ラウールくん、落ち着いて｣
｢やだ...やだ！今会いたくない！｣
先生｢うん、大丈夫大丈夫。来ないから｣
座っていた椅子から立ち上がって、教室から逃げ出そうとすると引き止められる
｢先生、僕もう今日は早退したい...｣
先生｢うん、先生も心配だし今日はそうしようか。それと、お家に電話したいんだけど、誰かいる？｣
｢え、あの電話はしなくていいです...｣
先生｢でもなぁ、こんな事さすがに報告しない訳にはいかないから｣
｢心配かけたくないので...お願いします｣
電話なんてされたらみんなでとっても心配しちゃう
必死に断るけど、学校側は家の連絡先を知っているからどちらにせよ電話はかけられるだろう
｢...せめて僕が帰宅する15時以降でお願いします｣
僕がいない状態だったら、心配性なメンバーは卒倒しちゃうかもしれない
それで先生も納得してくれた様子
｢先生、荷物取りに行くの怖くて...｣
先生｢そうだよな、取ってくるから待ってろ｣
｢ありがとうございます...引き出しの荷物すべて適当にカバンに入れてもらって大丈夫です｣
先生からスクールバッグを受け取って、学校を後にする
これから学校に行くのも不安だし、メンバーに心配かけるのも嫌だし、辛くて苦しかった
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作者名：きゅん
| 作成日時：2021年9月25日 22時
