まっすぐ君だけに２ (ページ19)

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佐久間side ページ19

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結局ラウールはリビングのソファーでも寝られなくて、もちろんご飯も食べてないまま時間だけが過ぎる

ふっか達も今日に限っては早く起きてきて様子を伺ってるけど...

｢ラウール｣

ラ｢...｣

｢今日はお休みだから大丈夫だよ。誰について行くー？｣

そんな問いかけにも無反応で自分の手をぎゅっと強く握ってて落ち着かない様子

亮｢ぎゅってしたら痛いでしょ？｣

俺に話しかけに来た阿部ちゃんが、ラウールを見て手に触れる

亮｢手、握るよ？｣

優しく手を開いてあげて、自分の手を繋いだ阿部ちゃん

大｢お、ラウールいいなぁ〜。阿部ちゃんに手繋いでもらって｣

亮｢手冷たいなぁ〜。寒くない？｣

話しかけても口を開かずにソファーにぼーっと横になったまま

それでも手の力は抜けてきたから、少しでも安心してくれていることにほっとする

ふと時計を見ればいつも学校に行く時間の10分前

その時、ラウールが起き上がって動き始めた

｢ラウール？｣

亮｢どうしたの？｣

そのままリビングから出ていってしまって、手を解かれた阿部ちゃんは呆然

｢トイレかな？｣

亮｢うん...｣

初めはトイレにでも行ったんだろうと思っていたけど、数分経ってもリビングに戻って来ず

離れて見守っていたメンバーもどうしたのかと集まって来たところでリビングのドアが開いた

ラ｢いってきます...｣

そこには制服を着て、ふわふわの寝癖を直したラウールがいた

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