そんな日々を ページ2
｢あ、今日一緒の当番だね！狛枝くん！｣
｢……あは、この後に待ち構えている幸運が楽しみだよ。｣
そう言って私の方から目を逸らし薄ら笑いを浮かべている狛枝くん。
今日も凄くかっこいい！
｢えーっと、今日の掃除はお前達2人だ。
頼んだぞ。｣
｢ちょ、ちょっと待ってよ日向クン！
ボク達だけって、いや、希望の象徴であるキミのいう事なら何でも聞く所存だけど、
｢お前にしか頼めないんだ。｣うんわかったよ！｣
日向くんの方から｢チョロい。｣と言った声が聞こえた。
そんな事より、狛枝くんと2人っきりで掃除が出来るんだ！2人っきりで、2人っきりで！
｢楽しみだね！｣
｢全然。｣
狛枝くんは日向くんに見せた笑顔とは全く違う冷めたような顔でそう言った。
うん、その顔も凄く素敵だよ！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢…はぁ。｣
｢ため息を吐くと幸せが逃げちゃうよ？｣
｢…誰のせいだと思っているの。｣
｢わ、わわわわ私のせい…？｣
｢寧ろキミ以外に誰がいるの。｣
｢え、えへへ…私のためにため息を吐いてくれるだなんて嬉しいな……。｣
私がそう言うと冷めきったような顔で私を見た後すぐに箒を持ち替える狛枝くん。
狛枝くんは立っているだけで絵になるなぁ…。
｢……ジロジロ見てる暇があるなら掃除しなよ。｣
｢はっ、ごめんね！狛枝くんがあまりにも絵になるから見とれちゃってたよ！｣
正直に言い雑巾を絞る。
よくみるとあまり汚れがない。
だから日向くんは私達2人だけに任せたのかな。
｢ここの部屋掃除し終えたら次はどの部屋を掃除する？｣
｢そんなの、キミが勝手に決めたらいいでしょ。
いちいちボクに話しかけないでよ。｣
｢え！私が決めていいの！？
じゃあ狛枝くんの部屋
｢却下。｣えー……。｣
私が明らかにガッカリしている様子を見て笑う狛枝くん。その笑顔もとっても可愛いよ！
｢えへへ、笑っている顔も可愛いね！｣
｢これは笑っているんじゃなくて呆れているんだよ。キミの頭には脳味噌が詰まってないの？｣
｢そんな悪口を言うところも大好きだよ！｣
｢ボクは嫌いだけどね。｣
そんな言い合いを出来る日々を
私は幸せだなと思うのです。
そして、その幸せが崩れる日が来なければいいと、
私はずっと願うのです。
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作者名：林檎 | 作成日時：2016年9月4日 23時
