実食(前) ページ2
【食べ物は、食べてみるまで分からないんだよ?】
ジョナサンは犬が好きだ。いや、犬に限らず動物なら全部好きかもしれない。
犬、猫、鳥、豚、牛、あいつは好きかもしれない。
だが、これらは大概食べれるものだ。
牛はステーキに、豚は丸焼きに、鳥はチキンに。犬や猫はあの東洋人に聞くと、食べれるらしい。
人間はとても好奇心が高く、食べれるものは何でも食べる。美味かったらそれを人々に伝え常識化する。犬を食うなんて素晴らしいな東洋人。
やはり、物はみてくれではなく中身だ。何もかも試しなきゃわからない。
「ジョジョ、糸をくれないか?細めの、何色でもいい。」
「糸をどうするの?」
「内緒さ。」
何気ない会話を義兄とする。糸を手に取ると、今からやることを思い浮かべると笑いがこぼれる。
「どうしたの?」
「いや、何でもない。ありがとう。」
婦女子にかけるような笑みを義兄に向ける。作り笑いだが。
ジョジョが遊んでいる川辺に来た。ここにはよくアレがとれる。
カエルだ。
カエルを捕る。カエルは茹でたりすると、鶏肉のようなタンパクな味でおいしいらしい。
だが、生はどうだろう。どんな味がするのやら。
さすがに自分で食べるのは抵抗がある。だからジョナサンに食べさせて感想を聞く。
ゲコッ。ゲコッ。
嗚呼、獲物の鳴き声だ。ぬるぬるとした体を掴み(とても嫌な顔をしながら)、逃げないように糸を括りつける。
楽しみだァ。
上機嫌で糸を振り回す。
三、四回振り回して蛙を見ると、腹に糸が食い込んで血が滲んでる。蛙はさっきから泣いている。
ゲコッ。ゲコッ。グゲェゴッ。
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作者名:ニッポー | 作者ホームページ:http://mb./-crb/158.html#S172
作成日時:2013年12月21日 17時