【実ｼ兄者】【ky】触覚は生きている (ページ5)

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目と涙ページ5

-kiyo-

「Aさん、おはよう」

先に席に座っていたAさんに声をかけた。

『ぁ…！おは…よう…ございま…す』

昨日みたいな小さな声で挨拶してくれた。その声が可愛くて、やっぱり好きなんだな、って。

「あのさ」

『…？！は、はい？！』

そんなに驚かなくても…。でも、びっくりして不安そうな顔も、なかなか可愛い。

「俺ら、クラスメートだし。席、隣だしさ、」

友達だし、とまでは言えない。いつかは言えるようになりたい。できればその先も。

「敬語じゃなくて、良いだろ」

『…ごめんなさい』

「いや、違う違う、怒ってないよ？！ただ、ただちょっと」

冷静に、クールなイケメンを演じてたのに…いきなり謝られて慌てた。言い方、キツかったかな。

「ちょっと、もっとAさんと仲良くなりたいなぁ…って」

言っちゃった、引かれる。

いつもバレンタインにチョコをくれる周りの女子の視線、は、どうでもいい。

問題は、俺の言葉を聞いて固まったAさんの、「なにいってんの、ありえない」みたいな視線。

さっきまで「ごめんなさい」とうつむいていた目が、上目遣いで睨んでくる。

「…ごめん」

Aさんは怒って下を向いた。

『ぁ…ぁゃ…』

「…？」

小さく声を漏らしたAさんは、勢いよく椅子から立ち上がり、俺を無視して、教室から出ていった。

あーあ、嫌われた。

Aさんが立ち去った机には、小さい水溜まりが出来ていた。

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読んでくださってる方がいる…！ありがとうございます！文才なくて申し訳ありません、更新頑張ります！