【実ｼ兄者】【ky】触覚は生きている (ページ35)

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前髪カーテンページ35

-fuji-

「ふぇ？！？！キ、キヨ、ついにAちゃんとあーんしたの？！」

「う、うるせぇ…ってか何で知ってんだよお前」

「ヒラっちに教えてもらった…本当だったんだぁ～！！このリア充めぇ～！！」

「無理するな」とか、そんな言葉はかけなくて良いから。ユキは今、施設に居るから。

俺の家になんか、絶対来ないから。大丈夫だから…。

「フジお前…無理すんなって」

やめて。俺は、辛そうにしてる自分を見られるのが一番嫌なんだ。

「目の下のクマ、やばいぞ。寝れなかったら言えよ？」

Aちゃんのことで悩んでたキヨのほうが、クマやばかったじゃん。

いつからか俺は鏡を見るのを拒んでいた。ドアスコープが怖かった。カーテンを開けるのが怖かった。前髪を切るのが怖かった。

前髪を切ったら、見たくない現実が鮮明に見えてしまうから。

今年の冬、俺はほとんど学校に行かないまま年を越した。そして正月、三人が家に来た。

「お邪魔しまぁーす」

ヒラ。

「フジ、明けましておめでとう」

こーすけ。

「・・・・」

キヨ。

「…ごめんね、みんな」

ぽつりと呟いた。アポ無しで押し掛けてきた皆の顔を見て、泣き出しそうだった。情けない。情けなくて、悔しくて、嬉しい。

「謝んなってば」

キヨがいつもより低い声で言った。

「何でもすぐ“ごめんね”って言うのが、一番嫌いなんだよ俺は」

Aちゃんのうつ向いた顔が浮かんだ。ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返していた彼女は、最近ずいぶん明るくなったと言う。

キヨと一緒に居れるからなのか、ユキが学校に居ないからなのか。

俺は、お願いだから前者であってくれ、と思いながら

ベッドに突っ伏して、泣いた。

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順位…？星に色が…？これは夢ですか、走馬灯ですか？いや現実でした、ありがとうございます、本当に。こんな小説ですが、よろしくお願いします。これからも頑張ります。