【実ｼ兄者】【ky】触覚は生きている (ページ20)

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女心ページ20

本当に、どうしたらいいんだろう。

眠い。どんなに寝ても眠いのは、きっともうすぐ女の子の日だから。

ユキの声がねばっこく聞こえて腹が立つのも

甘いものが食べたくてしょうがないのも

心の奥の奥から吐き気が襲ってくるのも

何も吐けなくてモヤモヤだけ残るのも

全部そのせいにしたい。そのせいにして、恋なんてなかったことにしたい。

私が男だったら、人生もうちょっと楽だったのかな。ときどき本気でそう思う。

「ねぇA、ちょっと聞きたいんだけどさ」

「…なに？」

話しかけないで。ほっといて。言いたくても、ユキの声のピリピリトゲトゲした雰囲気に負けてしまう。

「あんたさ、キヨくんのことフッたの？」

「フッたっていうか、逃げちゃった、私が」

私だって、女子が相手ならなんぼでも口喧嘩できる。必要があれば取っ組み合いの喧嘩だって。

「なに、その言い方。ムカつく、喧嘩売ってんの？」

「話しかけてきたのユキじゃん」

キレそうなのを必死に抑えて、冷静を装って話している…つもり。

「もういい、あんたのせいで私、キヨくんにフラれた」

「知らない、キヨくんがユキのこと嫌いだったんでしょ？」

つい熱くなって、言ってしまった。クラスの女子のボスに、宣戦布告をしてしまった。

「なにキヨくんって呼んでんの？あんた前まで名字呼びだったじゃん、ちょっと話せたからって調子のんじゃねーよ、バーカ！！」

馬鹿はお前だよ。なに必死になってんの。

もう知らない。私は今日、クラス中の女子を敵に回した。

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純粋なほんわかラブコメを書きたいのにどんどん設定がドロドロしてくる。