目線17〜血の繋がり〜 ページ17
金曜日の夜、久しぶりに自分の帰るべきアパートへと着いた。鍵を取り出しドアを開けると、中からおかえりという声が聞こえる。すば子はその声を無視してキッチンへと向かい、水を1杯飲む。
「無視して可愛くねえな」
すば子の兄はソファーに横たわり、クツクツと笑いながら言う。すば子はそれさえも無視して兄を睨みながら言う。
「今日は彼女おらんの」
「お前の言ってる彼女っていつの奴？」
「･･････1ヵ月前くらいの、私が駅で見た人」
すば子は食器棚からグラスを取り出し、氷を入れ、リンゴのワインを注ぐ。すば子の問いかけに考え込んだ兄は、誰のことを言ったのか思い出したのであろう、ああとひらめいたように声を出す。
「あれつい最近別れた女だわ。そして1週間前にまた彼女が出来ました！拍手！」
兄は1人で拍手をする。すば子はグラスに入っているワインをグビグビ飲む。
「そんな調子で飲むとすぐ酔うで。あ、そんでな明日その子うちに来るから」
キッチンの方へと顔を向け更に続ける。
「お前帰ってこればええのに。お前に会ってみたいって歴代彼女たちも言うとったで」
「あんたらの毎夜毎夜聞こえる声に嫌気がさしたんや。そんなん思っとたんなら少しは配慮せえや」
すば子は苛立ち隠せず言い返す。
「この家借りたい言うてきたのはお前やん。家主にケチ付けんといてくださあい」
兄の言う通りだ。
すば子の家は父親がサラリーマン、母親は専業主婦という一般的にありそうな家庭だ。そして1つ年上の兄は私立大学に通い一人暮らしをしていた。すば子は昔から教員になりたくて必死に勉強をし、見事国立の教育大学に受かった。しかし、その大学は実家から遠く、兄の私立大学に近かったことから、すば子は兄に頼み、住まわして貰っている身だった。
昔からすば子は兄が嫌いであった。勉学も兄よりも勝っている自身はあった。しかし、生まれたのが1年早かったというだけで何もかも兄が優先となっていた。優しい両親の手前すば子は何も文句は言えず、兄は甘えるように両親には猫を被り続けていた。
「･･････お前さ、俺のこと取っかえ引っかえ女変えて遊んでるやつだと思ってるやろ。こっちも聞きたいんやけど、俺と彼女がうちいる間、お前どこにおんの？この前見かけた奴の家おったん？しかも俺が見る度に毎回男違うんやけど」
兄はまたニヤニヤしながら言う。
「結局は血の繋がった兄妹やな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
隆平Loveな緑紫(プロフ) - ありがとうございます。 (2017年3月10日 17時) (
レス) id: 170c453007 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆子 - 隆平Loveな緑紫さん» すいません。同じことを思っていう方もいると思うので、説明文に書かせてもらいます。こちらの配慮不足でした。 (2017年3月10日 16時) (レス) id: 4a79a9806f (このIDを非表示/違反報告)
枝豆子 - 隆平Loveな緑紫さん» コメントありがとうございます。丸子ちゃんは出ない予定です。 (2017年3月10日 16時) (レス) id: 4a79a9806f (このIDを非表示/違反報告)
隆平Loveな緑紫(プロフ) - 見落としてるかも知れないですけど丸子ちゃんは出てきてます？ (2017年3月9日 18時) (レス) id: 170c453007 (このIDを非表示/違反報告)
R.N大好き - 続きを待ってます！頑張って下さい！ (2017年1月24日 18時) (レス) id: b16b009f42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：枝豆子 | 作成日時：2017年1月24日 17時
