スイートツイート【うらたぬき】 (ページ15)

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けじめつけページ15

例えば、異性のアイドルに抱く感情のように。
例えば、近所のお兄さんに抱く感情のように。
例えば、顔も知らない声優に抱く感情のように。

違ったりする…。どっか焦ってたのかな。周りの人がみんなそんな話するから。
そうだ、焦ってたんだ。だから、違う違う。あんなに好きって思ってたのもいわばそういうもんだ。恋じゃなかった。恋って中身とかでしょ。会ったことない人に抱くのは別の感情。

あんなにかっこいいって思ってたのは、イケメンだから何着ても似合うから。
あの人の真似ばっかしてたのは、ああいう風になりたかったから。
小さい事で一喜一憂してたのは、何しても絵になってたから。
他の女の人に嫉妬してたのは、あの人が汚されてしまうんじゃないかって思ってたから。

忘れられないかな。好きな人とか出来ないかな。
出来るわけないよね…。明日、もちに相談してみよう。あの子なんでもお見通しだし。

ー＊ー＊ー＊ー＊ー

「おはよう。」

もちに声かけると笑い返してくれるもち。
下駄箱の独特な匂いはちょっと苦手だ。でももちとの待ち合わせ場所だから嫌いではない。家の方向が真逆だからいつも下駄箱集合。何があっても絶対先には行かない。
私達の不思議な距離感で、特別で嬉しく感じる。

「今日、自習だねー。」

教室まで歩いてるともちがだるそうに声をあげた。普通なら喜ぶはずじゃない…？先生いないしTwitter見放題だし。あ、もう見ないって決めたんだっけ。

「自習、嫌なの？」

心のもやもやを揉み消すように明るい声を出した。

「ほら、去年の自習のとき先生居ないからってなんかゲームしたじゃん？みんなでグルグル教室中徘徊して好きな人の机に付箋貼るやつ。」

「あー、あったね。あんまり本命に貼ってる人いなかったけど。」

「私、あの時1人も貼ってくれなかったしその後何回かあったけど1人もいなかったし黒歴史なんだよ。」

「そんなの私もだし。」

「A、貼られてたじゃん。モブキャラみたいな小柄な男子に。羨ましいわ。何忘れてんだよ。」

「そうだっけ。」

あー、なんかもち楽しそうだなー。自習、嫌とかいってるけど楽しみなんじゃないの。ほら、隣の席の子、気になってるんでしょ。羨ましいのはこっちだよ。相談するの億劫になってきた。なんかあった？って聞いてくれないかな。

「…A変じゃない？なんかあった？今日、浦田くんの話は？なんか嫌なことでもあったの？」

…千里眼ですか…？