ねえ、遠井さん。【ジェル】 (ページ11)

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遠井さんとナンパページ11

「次これ乗ろー！」

「え、あ、うん…ちょっと休まない？」

莉犬くんと何事もなく遊ぶのは良いけどなかなかハードだ…。私、三半規管そんな強くないよ。

近くのベンチに腰掛けると、自分の体が予想以上に疲れていたのが分かった。

「あー！楽しい！あれ乗ったら次はあれで最後は観覧車ね！」

莉犬くんは疲れて無さそうだけど。

「…さて、と。ちょっと休憩したし行こっか。」

「あ、待って。僕トイレ行ってくるね。」

「うん、りょうかーい。」

莉犬くんがトイレに入って行って見えなくなった。いや、元気だな、莉犬くん。同い年だよね、私って体力ないのかな。

それにしても友達のトイレ待ちってなんでこんなに暇なんだろ。こういう時に限ってジェルが現れたりして。

「ねぇ君、僕と遊ばない？」

「あ、結構です。てかジェルあんた＿」

ナンパしてきた男の顔を見上げた。どうせジェルと思ってたけど全く知らない人だった。

「あ、人違いでした！すみません。」

…なんで謝ってんだろう、私。

「いや、そういうのいいからさ俺と遊ぼう、お姉さん？」

王道の台詞キター！どうしよう。莉犬くん待ってなきゃいけないから逃げれない。
どうしたら＿

「…あれ。遠井さん？！莉犬君といたんじゃないの？」

「うわ、本物」

最悪なことにジェルが向こうから歩いてきた。てかなんで知ってる？！やっぱり知ってたんじゃん！いや、今はそれよりも…

「ジェル！助けて！なんかなんぱされてるんだけど！」

「え、ナンパ？珍しいねwころんがナンパなんてw」

「え？」

「え？」

「まさかの知り合い？」

「あれ？言ってなかったっけ、ころんくんだけど。」

いやいやいや待って？誰？「ころんくんだけど。」じゃないよ。まじで知らないよ、この人。

「え、じゃあこの人が彼氏との約束すっぽかしてお友達と遊んでる女？」

ころんくん(？)が私を指さした。

「そう。この女だよ？！この女が？俺との？約束？破って？他の男と？ん？ん？」

「え待って待って。私のこと酷く言い過ぎじゃない？私が悪いんじゃなくてジェルが悪いんだよね？！」

「「は？」」

待ってジェルが増えた。もうどう説明したら…。

「おまたせー！ってジェ、ジェル君？！ところんくん？！」

あ、莉犬くん。って待って…こっちも知り合い？！

「ころんくん久しぶり…。」

ぽかんと口を開ける莉犬くん。よほど驚いてるのかな。

「あれ、転校してくるのもっと後じゃなかったっけ…？」

待って本当にどういうこと。