【smkn】花言葉【Pyxis▽】 ページ5
smside
吐く息が白く、露出している部分が赤くなるほど寒冷な季節。
俺は変わり映えしないこの街の中で足を動かしていた。
見渡せば彼方此方に人が居る。
寒冷なのか寄り添い熱を分け合うカップルや、慌てて走るサラリーマン。実に様々な人が居る。
そんな中俺はとあるショーウィンドウの中の花に目を奪われた。
凛々しく咲き誇り、独自の輝きを放つそれについ足が花屋の方に向いた。
｢いらっしゃいませ｣
リンリンという鈴の音が響いた後、店員の声がする。
俺はレジのすぐ側に立っている店員に声をかけた。
普段は人見知りな俺だが、なんとなく今日はいける気がした。なんとなく。
｢…すみません、ショーウィンドウに飾られてた、白色の花くださいっ…｣
先程の自信は何処へやら。商品を頼むだけで口篭る自分に腹が立ったが、そんなの気にしてられない。
そんな事を考えてたら、店の奥から店員が此方へ向かってきた。
｢こちらですか｣
店員が手にしている花を見るなり、そうです、と返答すれば店員は微笑みながら口にする。
｢こちらの花は"ツツジ"と言って花言葉は"初恋"なんですよ。素敵ですよね。｣
初恋と聞くとふいに彼奴の事が頭に過ぎった。
現在進行形で思いを馳せてるけれど。
少し青みがかった癖のないストレートな黒髪。高くも低くもなく綺麗な声。何よりその優しさや素敵な笑顔が好き。
普段奇声ばかり上げて、人とは違った趣味を持って、無愛想な俺なんか眼中に無いと思うけど。
会計を済ませると、数本の束を綺麗にラッピングして、俺の手元に収まる。
この花、彼奴に渡そうかな。
なんて考浮かぶ。
少し口角が上がるのは気の所為。
________________
先程より冷えた指先で呼鈴を鳴らす。
すると数十秒程で人の影が現れる。
…きんときだ。
彼はゆったりとしたジャージを着て出迎えてくれた。
｢はーい…ってスマイルか。どうした。｣
｢…ちょっと渡したい物があって。｣
そういうと、取り敢えず入って、ときんときは促す。
久しぶりに彼の家に入るな…。と勘える。
突然の来客にも関わらず綺麗にされてる部屋には埃1つも見当たらない。
そればかりか暖房が付けられ暖かい部屋は、屋外にいた俺にとっては上質な空間だった。
｢で…渡したい物とは｣
2人でベッドに座る。
隣に想い人がいるとなると高鳴る胸が止まない。
｢…これ。｣
きんときに問われ、花屋で買った花を無造作に渡す。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる氏 - ぶどう組うまぁ… スマイルが真っ赤になるの見てみたいなあ( (2019年3月3日 15時) (
レス) id: 761fba58a0 (このIDを非表示/違反報告)
はる氏 - 笑顔さんのズッ友、二人ともかわいかったです… とのさんの暴力組はいたずらっ子なぶるーくと花弁付いてるシャークんがかわいかったです…(全員かわいい (2019年2月22日 23時) (レス) id: 761fba58a0 (このIDを非表示/違反報告)
はる氏 - 新雪さんのズッ友…思わず泣いてしまいました…(涙脆い) 片想い辛いなあ… きんときとうまくやってくんだぞなかむ( (2019年2月6日 22時) (レス) id: 761fba58a0 (このIDを非表示/違反報告)
はる氏 - ズッ友…ちょっと切ない感じだけどほわほわした感じで好きです(？ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 761fba58a0 (このIDを非表示/違反報告)
Pyxis▽(プロフ) - はる氏さん» smknの花言葉を書かせて頂きましたPyxis▽です。お褒めのお言葉ありがとうございます!話しが上手く纏められなくて少々悩んでましたが、楽しんで読んでいただけたなら幸いです! (2019年1月20日 15時) (レス) id: 31bf77d4ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コラボ x他4人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ed5a6267411/
作成日時：2019年1月12日 20時
