紅一点は愛を貰えない (ページ15)

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私達もいくつかの賞をとらせていただいて、残すは大賞。
休憩時間には、有力候補だと言われているグループが涼しい顔でお喋りしている中、いつもはニコニコしているdreamの子たちが目に涙をためていた。

「オットッケ、どうしたの？？」
JS「ヌナ、イリチルヒョンたちが大賞取れるかなって…」
JM「ヒョン達、MAMAでファンの方から沢山期待されてたのに、取れなくて泣いてたんだ。」
CL「今度こそ、とってほしい、」

自分たちも取りたいだろうに、イリチルのことを思って本気で心配してるなんて…なんていい子なんだろうか

TH「大丈夫だよ…」
「テヒョンオッパ…」

物凄く優しい瞳で俯いたチソンの手を握る。
TH「きっとイリチルなら大丈夫。ぺちゃくちゃ余裕ぶっこいて喋ってるあいつらより、ずっと素敵なグループだって思うよ。それに、イリチルが大賞取っても取らなくても、君たちにとって大好きで尊敬するヒョンなのは変わらないでしょ？」

JS「はいっ！！」
「いいお返事だね、チソンアヌナ達と一緒に見守ってようか」

CMが開け、いつもは穏やかなジャニさんやテヨンさん、悠太くんまで真剣な表情で司会者を見つめる。

MC「さぁいよいよ残すところ大賞だけとなりました。SMA2022、大賞は

　 ________NCT127！！」

YT「え_____」

たくさんの拍手とともにみんなに囲まれ、涙を流す人もちらほら、

TY「ゆらちゃんっっ！！」
「テヨンさんっ__おめでとっございます！！」
大きな瞳からポロポロと涙を流しながら私の方へ腕を広げて駆け寄ってきたテヨンさん。

そっと包み込んだ逞しい背中も私を包んでくれる手も震えていて、彼が今まで抱えてきた不安や希望そして絶望が少しだけ分かったような気がした。

後ろから温もりが伝わってきたと思ったらヘチャンくんやドヨンさんも私を抱きしめに来てくれた。

後ろからクグオッパとテテオッパの拗ねた声が聞こえてくる。

みんなが離れたあと、席に着こうとすると頭に手をぽんと置かれた。

「！？悠太くん！？」
YT「ありがとうな、ゆら。今度俺が焼肉連れてったるわ」

お礼を言う暇もなく片手でピースをふりふりしながらメンバーの肩を組みステージに上がっていく悠太くん。

その横顔が何よりも美しく見えたのは、気のせいだろうか。

YG「ゆら？」
「あ、ごめんごめん！」

慌てて席についたけど、みんなに気づかれてないよね？？