君の林檎になりたい (ページ2)

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「勉強して何になるの？」

『それマジでわかるわ。この、英単語とか将来使う？』

憧れの人は、どうやらウィンウィンと気が合うみたいでさっきから"勉強を教えることの意義"について語り合っている。

「て言うか、Aさん断れば良かったのに」

『コイツ優しい馬鹿だから断れないんだよ』

「コイツって…仲良いの？」

『最悪な事に幼馴染なんだよね』

笑窪を見せながら笑うジェヒョン。ウィンウィンの頭を教科書で叩くと、痛い！と言ってあざとくジェヒョンに甘え出した。

「後一週間もないのに二人とも何で勉強しないの？」

『『意味ないから』』

「出会ってまだ一日目なのにハモらないでよ… 」

二人はハイタッチをし、ケラケラと笑っている。だが、二人に解かせた去年のテストの点数は揃いも揃って十五点だ。

「意味を持たせればしっかり勉強すんのね？」

それはどうかな？と苛つくジェスチャーをしたウィンウィン。ジェヒョンが居なかったら手が出ていたかもしれない。

「何か欲しいものある？一教科でも八十点以上取ったらそれを買ってあげるよ」

二人は顔を見合わせて私に聞こえら声で会議をし始めたので、耳を引っ張って勉強させた。それからと言うもの、二人は見た事ないほど勉強し始めた。ジェヒョンは部活があるから放課後の勉強会に参加することは少なかったけど、朝勉強会を開くと毎回参加してくれた。

『ん、…ぁ、やば、寝てた』

「最近寝てなかったでしょ。今日だけでも寝なよ」

気持ち程度にかけた私のブレザーを返したジェヒョン。ウィンウィンは朝起きれないからと言う理由で朝の勉強会には参加していない。ジェヒョンは背筋を伸ばし、シャーペンを手に持った。

『そうだ。ここ、Aに聞こうと思ったんだよ』

「 ”you are The apple of my eyes “は、直訳すると“貴方は私の目の中の林檎”になるんだけど」

『うん』

「昔ハートが林檎の形に似ていたから“貴方は私のかけがえのない存在、愛する人”って訳になるらしいよ」

へー、と頷くジェヒョン。この前まで新品のようにまっさらだった教科書は少しよれていた。