嫌いなんじゃなくて ページ18
誕生日の日までVS嵐とかまじかよと１人の車内で愚痴りながら運転して向かったスタジオ。
昨日のCM撮影現場でもお祝いしてもらってるけど、本心はまじでもう祝ってもらえるような歳じゃない。。。
嬉しかったのは３５ぐらいまでだったなぁ。
着替えを済ませてスタジオに入ってすぐ一斉にライトが消えた。
突然消えたライト。
正直暗いところが苦手な俺は誕生日のことなんて
すっかり頭から抜け落ちてて慌てて
横にいたリーダーの腕にしがみついた。
目には涙が浮かんでいたし、声だって震えてた。
ダサいのはわかってたし、
４０過ぎてこんなんってどうなんだろうとも思うけど、
予期せぬ停電とかにはいつまで経ってもなれなくてこの有様。
電気がついてバースデーケーキが運ばれてきたけど、
その安堵感からか思わず床に座り込んだ。
雅「にの？大丈夫だよ。」
潤「怖かったな」
翔「呼吸整えられるか？」
智「手、握っとくからフーってしてきて」
翔「嬉し涙ですー！」
さり気なく俺の隣に二人ずつ分かれて立って小声で慰めてくれて、
頭の回らない俺の代わりに翔ちゃんが涙のことを弁明してくれて、
和「あーありがとうございます！」
無理やり明るい声を出して、口を開けてケーキを頬張る。
俺好みの甘さ控えめのクリームにフワフワの生地、
付き合いの長いプロデューサーさんが選んでくれたんだろう。
翔ちゃんが適当な理由をつけてくれて一旦楽屋に戻ってきた。
智「大丈夫か？」
大好きなリーダーの腕の中に閉じ込めてもらって、
ぎゅうぎゅうに抱きしめてもらえば、
あたたかすぎる安心感が俺の胸いっぱいに広がっていく。
潤「目元赤いからこれ当てとけよ」
雅「ケーキ、後で俺も一緒に食べよ」
翔「時間あるからゆっくり戻ればいいよ」
僕はサプライズが嫌いなんじゃなくて停電が嫌い。
でももう大丈夫。
なんかあったらしがみつける人が横にいてくれるから。
活動休止中とは違う。
頼れる人がいるんだって実感した俺の誕生日。
そして今日は嵐二度目の誕生日からちょうど２年の記念日。
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@uratuku.arato
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作者名：新杜 | 作成日時：2022年8月29日 10時
