壊れかけの世界2人の賢者！？ (ページ46)

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よくわからない食材たちが透明な瓶に詰められていて、棚に並んでいる

『気持ち昆布』？ってただの昆布ではないってことなのかな他にも『気持ち米』？『かなり味噌』？

かえで：前の賢者さんは、苦労したんだな･････

聞かなくてもわかる、ただの『昆布』『米』『味噌』では無さそう、さぁやるぞ！

と気合を入れて鍋を手に取った時ヒースクリフさんが駆け込んできた

ヒース：賢者様、俺が手伝います

かえで：あ、大丈夫ですよ

ヒース：いけませんよ、こう見えても、手先が器用
　なんで、お手伝いくらいさせてください

腕まくりをしながらヒースクリフさんが笑いかける
にしても綺麗な人、おそらく、ヒースクリフさんは人見知りだとおもう、頑張って近づいてきたような感じがする、社交的な人でもなさそうファウストさんのこともあって歩み寄ろうとしてくれているのかな
猫ばあさんのハナコがそうだった他の猫たちが私に構ってくるからじゃあ･････という感じてビクビクしながら近づいてきた
出来るだけ彼が安心するよう私も笑いかけた

かえで：ありがとうございます、助かります

ヒース：いえ、えっと、何を作るのですか？

ぎこちない顔で聞いてきた

かえで：おじやです

ヒース：あぁ、前の賢者様が作ってくれたミルク粥
　みたいなやつだ、だしが、肝心なんですよね

エプロンをしながら、ヒースクリフは指揮をするように長い指先をふるった
何もしてないのに窓が開いて外から卵が宙を飛んでやってくる、宙に浮かび上がったポットが傾いて、鍋に水を注がれると、同時に沸騰した、そこに『気持ち昆布』が投入された

オーケストラの指揮者みたい！

『気持ち昆布』は悲鳴のような音を上げて、水を吸って倍以上に膨らむと、ヒレのついた手のような形になる

かえで：･････これは？

ヒース：沈没藻です、船に絡みついて沈没させる海藻
　です、俺も前まで食べたことがありません
　でした、昨日はよく眠れたしたか？

かえで：はい、ぐっすりと寝てしまいました

台所の飛び交うものを眺めて、呆然としながら、わたしは質問に答えた、小気味良いリズムを鳴らしながら、卵が割れて、ボールの中で、くるくるとかき混ぜかれている、おじやをつくりながらヒースクリフさんはコーヒーをドロップしていた

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