7.せめて ページ7
・
当たり前にドアをカランと開けて入って行く相葉くんに
もう諦めにも似た気持ちでついて行く。
床屋さんなんて初めて入ったけど・・・
うん、イメージしてる通りの床屋さんだわ。
ここで普通にオシャレ女子になれるとは思えない。
いや、オシャレ女子になりたい訳ではないけどせめて普通の女子でいたい。
「あの、やっぱり私、大丈夫ですから。」
勧められるまま椅子に座ってしまったけど不安しかない。
なのに、パッと正面の鏡に映った相葉くんは
さっきまでとは別人のような顔で私を真っ直ぐに見てて
思わずゴクリと喉を鳴らしてしまいそうな程にドキドキしてしまう。
「何ちゃんだったっけ？」
そんな私にお構いなしに優しくそう言った相葉くんは
当然のように私の髪の毛にハサミを入れ始めた。
いやいやいや！
私大丈夫ですって言ったの聞いてくれてなかったのっ？！
私、床屋さんじゃなくてせめて美容院でカットする普通女子でいたいんだけど！
なのに。
「A、です」なんて思わず素直に答えちゃってる自分にびっくりするわ。
「そっか、Aちゃんね！りょーかい。」
そう言った相葉くんはさっき鏡に映った相葉くんとはまた違って楽しそうにハサミを動かしてる。
えーっと・・・
私、どうしたいとか何も言ってないんだけど大丈夫なのかな？
「だーいじょうぶ、大丈夫！任せといて！」
私が余りにも不安そうな顔をしてたのか
鏡越しに私を見た相葉くんが うはは！と笑いながらそう言った。
何が大丈夫なのか全く分からないけどもう仕方ないか、と諦めたその時
またカランカランとドアが鳴ってさっきの駅員さんが入って来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 408人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えこる(プロフ) - 鈴さん» 鈴さ〜ん♪こんな所まで読んで下さったんですね。ホントにありがとうございますm(_ _)m！ (2020年6月15日 23時) (
レス) id: 7530b26ba1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 御無沙汰してます、お久しぶりです。あれからずっと読んでました、シリーズ完結まで読んで、やっぱり好きだなぁと。何度も読み返してます。 (2020年6月14日 2時) (レス) id: d50b197e0a (このIDを非表示/違反報告)
えこる(プロフ) - ほっそんさん» ほっそんさん♪最後まで読んで下さってありがとうございましたm(_ _)m最後の『わん。』は、お利口で『待て』して下さってるのかな？？シェフ潤の相手が誰なのか…さっぱり見当つきませんがいつか何か浮かんだ時にはお付き合いお願いします(＾＾)v (2019年7月11日 11時) (レス) id: 010ac42581 (このIDを非表示/違反報告)
えこる(プロフ) - ともさん» ともさん♪最後までお付き合いありがとうございました〜！デキる兄さんたちに可愛がられながらもデキる男に成長（するであろう）有岡くんが書けて私も楽しかったです(＾＾) (2019年7月11日 11時) (レス) id: 010ac42581 (このIDを非表示/違反報告)
えこる(プロフ) - すみれさん» すみれちゃ〜ん♪有岡、意外にデキる子だったでしょ？可愛いだけじゃないんだな〜（ぐふふ）この間はあまり時間が無かったけどまた次回は有岡のアレやコレやも聞いてねww (2019年7月11日 11時) (レス) id: 010ac42581 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えこる
作成日時：2019年4月20日 7時
